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嘘はこの町の掟違反#2
全員が校庭に到着した頃校庭の向こうから檻に入れられたネズミが二匹が長のもとへ運ばれてきた。
「よろしい全員つきましたね。では質問です。皆さんこれはなんだと思いますか?」
と言い長は檻の鍵を開け、二匹のネズミを手の上にのせた
「どう考えてもネズミ」「なんでこんな問題出すんだろう」「え誰だろ?」
と生徒達がざわついている。そうなるのも当然だ。
「実はこれみんなと同じ生徒だったものなんですよ?あー驚きました?」
長の一言で場が凍りついた。
「バサッ」
私は持っていた本を落とした。そういえば今朝あった双子の姉妹がどこにも見当たらない。まさかあの姉妹がネズミなのか?でも人間がネズミになるなんて、でもどうやって通常ならありえないはず。もしかして長..
「簡単なことですよー”嘘をついたから”ネズミになったんです!」
長はにっこりと笑ってそう説明した。手足が震える。その笑顔が笑っているはずなのに私は怖くて怖くてたまらなかった。
「大丈夫です!もとに戻らないわっ......」
長の声が突然途切れた。
その後のことは覚えていない。重いまぶたを開けるとそこは学校の保健室だった。眩しい光が瞳の中に一斉に入ってきた。
「ここ....どこ..てか痛っ」
ふとベッドの隣を見ると一人の少女が私をびくびくしながら見ている
でもどこかで見たことがあるような..とりあえず制服からみてここの生徒だろうか、一人で看病してもらって申し訳ないな。後でなにかお礼しよう..
「あっあのっお怪我、だ大丈夫ですか」
そういって少女はお茶と落とした本を渡してくれた。あとから聞くに、私はあの後気を失ってその場で倒れたらしい。お茶を飲み落ち着いた後、少女に集会のその後を聞くと一つのメモを渡してくれた。
「もとに戻る方法は一つ!自分の嘘、罪を改めることです。まあ場合によって戻れなくなる場合もありますがね。集会は以上です。皆様教室に戻ってください〜」
「あ、嘘ついたらあなたも動物にしてやりますからね?ふふ」
そう言うと長はまたにっこりと笑い執事と共に去っていった。
「すごい細かいところまでメモしてくれてたんだね...ありがとう」
そう私が言うと少女はホッとしたように肩を下ろした。
「とんでもない...!あなたは命の恩人ですから....私は1年のみかです。覚えていますか?」
.....あれ、私この子とあったことがあるっけ?でもどこかで見たことが...
「ごめんなさい...どこかであったことがあるんだけど思い出せないわ..私も一年のつきよ」
「覚えてないのも当然ですよね.....!大丈夫です!よろしくお願いします」
学園からの帰り道、偶然家が近くだったのでみかと一緒に帰ることにした。正直一人で帰るのは少し怖かったから嬉しい。
「つきさんはっ」「つきでいいわよ」みかは少しの間を開けて「...つきはっこの町おかしいと思う?」え...そんなことこの町の中で一瞬たりとも思ったことがなかった。そもそも外の世界に一切出れない町なんて言われてみれば確かに、人間が動物に変えられる魔法...?そんなのがあるなんて初めて知った。
「ねえ...こんなおかしい町から一緒に出ようよ!」
そう身を乗り出して、大きな声でみかが言った。