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雑巾
頭上から灰色の濁った水が降ってきた後少し重い何かが私の頭の上に落ちてきた。
ああまたかと思いながら頭に乗った雑巾を手に取りゴミ箱へと脚を動かす。
周りからはおそらく私に対してであろう笑い声が聞こえてくる。
少し濡れた雑巾をゴミ箱に入れ、机に戻ると机の上に置いてあった筆箱がなくなっていた。
どこへ行ったのかとあたりを見わたすと隣の席に座っているいじめの代表格のような人物の手にあった。
「それ、私の。返して。」と言うと彼女は「え~落ちてたから拾ったの~だからこれはわーたーしのw」と言った。
「落ちてなかったでしょ。机の上にあったはず。」
「いや、お前の机汚いから床と変わんないでしょw」
彼女には私の机が床に見えているようだった。
「汚してるのはあなたたちでしょ。あなたたちが落書きするから汚くなる。」と正論をぶつけながら彼女の横に立っている手下のような存在に目をやる。
手下たちは私の冷たい目に少しおびえているけれどリーダーの彼女は全く動じない。
話が通じない人と話していても時間の無駄だと思い教室を出る。
「え~逃げるの~?よわ~w」という声が後ろから聞こえてくるが彼女たちとは真逆の方向に脚を進める。
私が逃げたと勘違いしているようだ。
人にかまってもらわないと生きていけないだなんて可哀想だなと思いながら水道へ向かい頭を濡らした。