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犠牲者
こうして私たちは、準備に取り掛かった
折り畳んだノートパソコンを、私の服の中に隠す…
寧々「ふふ…くすぐったい…気がする」
奏「だ、だめだよ声を出しちゃ…」
寧々「…はい、命令を確認しました」
奏「あ…う、うん…」
なんか………急に機械っぽい反応されると、気が狂うな…
瑞希「奏、隠し部屋の机の引き出しには、ケーブル類が束になってたはずだよ!」
瑞希「だから、そこにネットワークケーブルがあるかもしれないんだ」
奏「なるほど…わかった、探してみるよ」
瑞希「…黒幕に奪われてないといいけど」
奏「…そうだね…」
瑞希「早速行こっか、2階の隠し部屋に!」
---
瑞希「ねぇ奏……」
瑞希「資料が無くなったのって本当なの?そんなの納得できない!」
瑞希「もう一度、ちゃんと確認して来てよ!」
奏「え…?み、瑞希?」
瑞希「早く行って来て!奏が逃げないように、ここで待ってるから!」
奏「あ…う、うん…!」
そっか、これは芝居だ
あまりの迫力だから…また怒らせちゃったのかと思った…
瑞希「何ぼーっとしてるの?ほら早く!」
奏「…じゃあ、行ってくるね」
---
奏「瑞希の話だと…この引き出しに…」
あった…ケーブルの束
で…これがネットワークケーブルかな…?
あとはアルターエゴにこのケーブルを繋ぐだけ…
奏「これでよし…ちゃんと繋げれたよね…」
寧々「えっと………」
寧々「…うん、大丈夫そう」
寧々「あとは私に任せて。絶対に手掛かりを見つけるから」
寧々「もしかしたら、外部とも繋がるかもしれないし…助けだって呼べるはず」
寧々「だから、待ってて」
寧々「私を信じて…待っててね」
私はこの部屋から出る前に、短文を残しておいた
--- 絶対に、ここから出よう。貴方と私達、全員揃ってね ---
寧々「…仲間……?」
寧々「私も…仲間で、いいの…?」
寧々「…ありがとう…!」
---
瑞希「奏…どうだった?」
奏「あ、えっと…」
奏「うん、大丈夫…やっぱり資料は無くなってたよ」
思わず出て来た言葉は、本音と芝居が混ざった返答だった
瑞希「そう…」
瑞希「それなら仕方ないね。もうここに用はないし、戻ろっか」
奏「あ…ちょ、ちょっとまって…!」
瑞希「…?どうしたの?」
奏「その…桐谷さんの件について、話したいなって思って」
瑞希「…それはもちろん、なんとかしないといけないね」
瑞希「でも、今の状態でみんなを説得するのは無理だよ…誰も聞く耳を持ってくれない…」
奏「じゃあ…どうすれば…」
瑞希「きっと、新しい手がかりがあれば状況も変わる。それに賭けるしかないよ…」
だからこその、アルターエゴってわけか…
瑞希「今は待つしかない。仲間を信じて…ね」
奏「そっか…そう、だよね」
ここで瑞希と別れた後、私は自室へ戻った
---
奏「…疲れたな」
アルターエゴを運ぶのに、神経をすり減らしたせいか、
思ってた以上に疲れていたみたい。
だから、私は……
ピンポーン…
奏「んぅ…?」
ピンポーン…
眠りかけていた私を現実世界に引き戻したのは、
部屋に響くインターホンの音だった。
奏「…だれ?」
ガチャッ
瑞希「奏!すぐにきて…!」
奏「瑞希?どうかしたの?」
瑞希「さっきみのりちゃんがボクの部屋に来たんだよ」
瑞希「それも、真っ青な顔で…」
瑞希「……何か、あったみたいなんだ」
奏「…何か?」
その言葉を耳にした途端、胸の鼓動が一気に早くなった
その瞬間、完全に目が覚める
瑞希「娯楽室に来てって言ってた…早く行こう!」
奏「ご、娯楽室…だね、わかった…」
---
ガタガタガタガタ…
奏「ッ…ドアが開かない…」
鍵がかかっているのか、ドアは全く開く気配がなかった
みのり「あ…!か、奏ちゃん!瑞希ちゃん…!」
奏「花里さん…!どうしたの…?何があったの…?」
みのり「様子が、変なの…!」
みのり「娯楽室の、中で…!」
奏「娯楽室の…中?」
慌てて、ドアの窓から部屋の中を覗き込んだ
すると…
奏「桐谷…さん?」
奏「気を失ってる…?」
椅子に腰掛けたままの体勢で、うなだれるようにして…
瑞希「どういうこと…?遥ちゃんがどうしたの?」
みのり「この部屋の前を通ったら…たまたま窓越しに遥ちゃんの姿が見えて…」
みのり「でも、ドアが開かなくて…」
みのり「ドアを叩いたり、名前を呼んだりしたんだけど…返事が、なくて…」
みのり「ど、どうしよう…!どうしたらいいの…!?」
瑞希「ま、まずは!部屋に入る方法を考えようよ…!」
奏「でも…ドアには鍵がかかってるみたいだよ…?ドアを壊したら校則違反に…」
瑞希「ドアを破るんだよ」
奏「え?だ、だから…」
瑞希「鍵がかかってるわけじゃないよ。だって、娯楽室のドアには鍵なんてなかったからね」
奏「…じゃあ、どうして…?」
瑞希「多分、部屋の内側で、何かがドアノブに引っかかってるみたいだよ」
瑞希「椅子…かな」
奏「椅子…?」
瑞希「どちらにせよ、これは鍵のかかったドアじゃない。つまり、校則の適応外のはず!」
奏「じゃあ…ドアを破っても問題ないって事だね」
瑞希「ドアの窓を割ろう。それが手っ取り早いよ」
みのり「じゃ、じゃあ道具持ってくる!待ってて!」
娯楽室の中…相変わらず、桐谷さんは全く動かない。
気を失ってるだけ…だよね…?
奏「大丈夫だよね…」
瑞希「………」
瑞希は何も答えなかった。
沈黙
でも、それもほんの少しの間ってだけで…
みのり「持って来たよ!あっちの教室に箒があったから…これで…!」
瑞希「いけるね…奏、お願いしてもいい?」
奏「う、うん…わかった」
みのり「お願い…!早く…!!」
奏「…2人とも、危ないから離れててね…」
私は手にした箒を振りかぶり…
ドアの窓目掛けて、一気に振り下ろした
ガシャーーンッ…
耳障りな音を響かせながら、ガラスの破片が娯楽室の中へと散らばった
私はガラスのなくなった窓から手を入れ、
ドアの前に突っかかっていた椅子を退けようと…
奏「こ、この椅子…重い…!」
なんとか椅子を退かすと、ようやくドアノブが回り…
奏「!桐谷さん!!」
すぐに彼女に駆けつけた
そして、その手が彼女に触れた瞬間…
…………………
私が感じたのは、死
かろうじて体温は残っていたものの…
桐谷さんの体からは、完全に正気が抜け落ちていた
そして…
ピーンポーンパーンポーン…
モノクマ「死体が発見されました!」
モノクマ「一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!」