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番外編sp1 都会に行こうぜ
優里がまだ結構ちっちゃい時の話
「お前ら、明日の任務は都会だぞ」
田舎というか山奥だから都会に出たことのない奴らを、電車の乗り換えでついて行かせるのは不安だった。
「まいさーん!都会ってどこーコンビニいっぱいあんの?」
「知ってる世界が狭すぎる…」
少々骨が折れそうだ。
「スッゲー!」
「シッ!大声出すな。」
今二人がいるのはいわゆるマツリというやつだ。
それも一般的な祭りではなく、人を欺き、欺かれ、殺し合い、見せ物にされるマツリだ。
「レディースアンドジェントルメーン!今日は新しく入荷した商品サー族の少年だあああ!」
サー族。見た目は愛らしく、小さい。
数はとても少なく、その髪を食べると不老不死になれるという噂が出回っている。
まあ、くだらん迷信だが。
「あの子、大丈夫?」
「うーん。せいぜい奴隷や殺し屋になれればいいな。変態に捕まると終わるんだ、ああいうのは」
自分自身もオークションで売られ、買われた先で性暴力や暴力を受けている。
きっとあの少年も、運が悪ければ…
いやいや、何を考えてるんだ私。
「よし、仕事に行くぞ」
「うん」