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神々の不条理な重力の恩寵 第五章
道化師
第五章
私は…私は…
……神でも物思いにふける時があるのか
度し難い自身に薄い笑みを浮かべながら
感情の無い瞳で彼等を眺める
罰 呪い 重力 不条理
何故彼等はここにいるのだろうか
私が呼んだのか私が呼ばれたのか
どちらにせよ結末は決定しているのだ
永遠に結末を繰り返す
私はそれを感情の無い瞳で外側から眺めるだけだ
そうであったはずだ
これまでは
罰 呪い 重力 不条理
何故彼等はここにいるのだろうか
私が呼んだのか私が呼ばれたのか
正解など無い問に意味など無い
だが…
私も呼ばれたならばどうなるのだ?
外側に立っていたはずだ
しかし…この感覚は…
何故この終わりの無い円環を私のように感じるのだ?
まんまるだがまんまるで無いような…
罰も 呪いも 重力も 不条理も そして私も…
円環の一員なのか?何故?何故呼ばれたのだ?
永遠に終わりの無い結末に何があったのだ?
罰…呪い…重力…不条理…私…
私…罰…呪い…重力…不条理…
そうか…私が罰を受け呪いを課され重力による不条理を生きながらえるということなのか
だが…私の罰とはなんだ?
そして円環に意味はあるのかそれともないのか
意味はないが意味はあるのか
罰はあるが罰はないのか
罰でない罰とは
呪い…重力…不条理…理性…越える…
理性…反対…感情…本能…
そうか 欲望だ
欲望…願い…私?…私は…
何を願う
願いとは
叶うもの
叶わぬもの
叶わぬものでも叶うものなら
永遠を 永遠を終わりにしたい
私が私であり私でなくなる
私の全てを手放し空白になる
そして…私は…全てを手放し空白の私は…
愛を…愛を欲する
その瞬間
私は低俗な深海の底に横たわっていた
身体が重い 潰れるような重力がのしかかる
手放せ…さすれば空白が…重力がつぶやいた気がした
私は…全てを手放す
底が抜けたと同時に
意識がなくなり私は私ではなくなった
これで永遠が終わるのだ
これでよかったのだ
本当に?まだ貴方の願いは叶っていない
誰?
次の瞬間
拾え…希望…をと不条理がささやいた
わからないまま手で希望を掴んだ
それは手の中で一筋の光を放ちながら形を変えて身体に纏わりついた
罰は許されたのか
呪いは祝福されるのか
重力は恩寵への引力という純粋な力に
不条理は真の希望へと形を変えつつある
それらは声を揃えて私に語りかける
真の希望の先にある誰も見たことのない
恩寵の果ての神の愛まで突き抜けるぞと
そして
直進してそのまま
深海を突き抜ける
いつしか身体に纏わりついた光は何重にも螺旋を描き天をも貫く雷を帯びている
まるで光の槍のように
抗うか…是非もない…か
嘆息と共にかすかに声が聞こえたような気がした
舞台は空に光と共に有りてさらに上へ上へと直進する
それと共に私の存在が少しずつ透明になっていくのがぼんやりと見えてきたのと同じくして彼等の声がほとんど聞こえなくなった
これが恩寵に近づくということか
私の願い
私が欲するもの
私の…愛
これで最後の運命だ
真の恩寵の果てに…
螺旋を描いた雷を帯びた光の槍はその瞬間恩寵という存在の中心を突き抜けてどこまでも突き抜けていく
ここは…
どこだろう
冷たいのに温かい
氷の中に燃える石炭のようなものがあるような
あぁ
なんだろ…なんだか…なんとなく…かな…
彼等の声はもう聞こえない
私には私の存在がもはや消え去りつつあるのがなんとなく感じられた
だがたとえ完全な空白となり存在が消え去ろうとも私という意思が消え去ることは無いのだ
ゼロはゼロであるがゼロではない
私の存在はゼロになるが私の意思はゼロではない
存在がさらに透き通り始めた中どこからか私の意思を呼ぶ声が聞こえてくる
それも?それとも?それでも?
神が愛を欲したのか
私が愛を欲したのか
神が愛を与えたのか
私が愛を与えたのか
神とは私なのか
私とは何なのか
消え去りつつありながらとめどもなく考える 口元に薄い笑みを浮かべながら
私は…私は…これでよかったのか?…な…のだろう…たぶん。
私は…私は…