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潰瘍クレイドル
型から外れた不揃いな部品から順に、容赦なくプレス機の底へ叩き落とされていく。
地球というのはただの巨大な製品工場に過ぎず、社会の仕組みという言葉を耳にするたび、粘膜を焼き焦がしていくような不快感に襲われた。
規格通りの顔をして、規格通りの未来を買い、規格通りの呼吸を繰り返す人間どもの群れ。
そこからはみ出した肉片は、誰の目にも留まらないまま灰色の廃棄溝へと滑り落ちていくだけだ。
そんな汚物の溜まり場で、ただ一人だけの君と重なり合った。
誰もいない真夜中のホーム、黄色い線のぎりぎり内側でぬるい夜風に揺れる君の首筋は、漂白されたプラスチックみたいに無機質で、不吉なほどに透き通っていた。
互いに抱える死への渇望は、きれいな言葉なんて一切寄せ付けない。
それはこの世で一番甘く、もっとも生臭く粘つく体液そのものだった。
二人で分け合うのは慰めなどではなく、互いの廃棄予定日を指折り数える、下品で泥臭い儀式だ。
誰もいない便所の個室で鍵をかけて狭い床に擦り寄り合うとき、君の細い首へ当たり前のように手を滑らせる。
喉仏の出っ張りを、親指の腹で強く、ゆっくりと押し潰していく。
喉の奥で詰まる、あられもない苦悶の音。
瞳孔が開き、白目を剥きかけるその瞬間にだけ、二人はこの工場からの出荷を完全に拒絶した「完璧な不良品」になれた。
酸欠に悶え、君の目と鼻からダラダラと垂れ流される生理的な分泌物。
それはどんな装飾よりも美しく私の指先を汚し、苦しさにうねる君の腰つきは、生殖の本能すら捨て去った出来損ないのけものの求愛そのものだった。
絶望に濡れた君の唇に、自分の唇を無理やり重ね合わせる。
舌の奥から伝わってくるのは鉄の味と、死にきれなかった昨日の胃液の苦味。
それを互いに喉の奥へと飲み干し合うたび、臓腑はゆっくりと溶けて混ざり合い、ひとつの透明な歪みへ変わっていく。
遠くから迫る通過電車の真っ赤な尾灯が、君の汚れた制服の襟ぐりを血のような赤で染め上げていく。
この地球というプレス機が、私たちを完全に押し潰してしまう前に。
二人はこの汚い肺胞いっぱいに死の臭いを抱きしめたまま、ただ静かに、絶頂の向こう側へ堕ちていく。