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永遠の誓い、泡沫の契約《第一話》冷涼の冬、泡沫の契約
今回は大正時代を舞台にした政略結婚×契約×誓いをイメージに物語を描かせていただきます!
「お前に同情はしない。興味もない。俺はめおとになるが愛しはしない。お家同士の政略の結婚だ」
美しく彩られた婚礼の部屋。新居の寝床で夫となった壮麗龍弥(そうれいりゅうや)様は黒の髪をなびかせ、桃色の瞳を光らせている私、鏡谷彩葉(きょうやいろは)の顔を一度も見ようとせず冷淡な声で淡々と言い放ったのです。若い16で名家を継いで四年半の彼の肩には計り知れない期待と責任がのしかかっていること。それは18の私でもわかるほどでした。切れ長の青い美しい目には底知れない孤独と誰も周りに寄せ付けないような冷たい光が宿っていて、近寄ることすら躊躇われました。
「わかっています。私もお家の為この身を捨てる覚悟ですから。決してあなたの邪魔にはなりません」
私は胸の奥にあった寂しさを隠すように着物の袖をギュッと握りしめ、微笑んで返しました。
これが私たちの冷え切ったある雪の降る冬の日だったのです。
翌朝、バタバタという足音と共に部屋に入ってきたのは幼い頃から共にいる侍女の三月小春(みつきこはる)だった。紫がかった黒髪をお団子にまとめた愛らしい少女は頬をぷくっと膨らませていかにも不機嫌な様子です。
「彩葉様!龍弥様は何故あのように冷酷なのですか⁉︎今朝も彩葉様が起床する前に書斎に帰ってしまうなんて……。あんまりです!」
「しっ!小春、大きい声で言うんじゃありません。これは政略結婚なのですから愛などなくて当然です」
不満を撒き散らしている小春を宥めていると部屋のふすまが静かに開かれました。そこに立っていたのは龍弥の秘書の志貴良透眞(しきりょうとうま)様でした。
「小春殿、誰かにその不満が聞かれたらどうなさるおつもりですか。私だったからよかったものの噂好きな侍女たちに聞かれていたらお家騒動になりかねません」
「げ、透眞……でもあんまりよ!こんなに可憐で美しい彩葉様をまるでものを見るような目で……!」
「小春殿、一度黙ってください。今朝から龍弥様は執務に追われていますゆえ、屋敷の案内は私、志貴良透眞が務めさせていただきます」
「よろしくお願いします。透眞様」
「透眞でいいです。様入りません」
「そうですか?ではよろしくお願いします、透眞」
不穏な空気はあったけれど、楽しい大切な日々がこの屋敷で確かに築かれていったのでした。
どうだったでしょうか…?
以前から書き溜め?していてものがあるので毎日投稿になりそうです!