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こぐま はじめての冬眠
小説投稿サイトなのに子供向けのお話をつくっちゃいました
深い森の奥に、ふわふわの毛並みを持つ小さなクマの坊やがいました。名前は「こぐま」。こぐまは好奇心旺盛で、毎日新しい発見に目を輝かせていました。秋風が吹き始め、葉っぱが赤や黄色に染まり出すと、お父さんクマとお母さんクマは、こぐまに大切なことを教え始めました。
「こぐま、そろそろ冬眠の準備をする時期だよ」と、お父さんクマは優しく言いました。「冬の間、ずっと眠るんだよ」
こぐまは目を丸くしました。「ずっと眠るの?遊びに行けないの?」
お母さんクマはにっこり笑って、こぐまの頭をなでました。「そうよ。でもね、冬眠は大切なことなんだ。冬の間は食べ物が少なくなるから、体を休めて春を待つのよ。」
それから毎日、こぐまは両親と一緒に冬眠の準備を始めました。どんぐりや木の実を一生懸命集め、お腹いっぱいに食べました。お腹がぽっこりするほど食べては、「これで冬眠できるかな?」と、ちょっぴり不安そうに尋ねました。
洞穴の準備も進みました。お父さんクマが大きな枝を運び、お母さんクマが柔らかい葉っぱや苔を敷き詰めます。こぐまも小さな葉っぱをくわえて運んでいましたが、途中で眠くなってしまい、コテンと寝てしまうこともありました。
ある日、洞穴の準備がすっかり整い、外はすっかり寒くなりました。雪がちらつき始め、森全体が静けさに包まれます。
「さあ、こぐま。いよいよ冬眠だよ」とお父さんクマが言いました。
こぐまは、少しだけドキドキしながらも、両親の間に挟まるようにして洞穴の奥に入りました。ひんやりとした空気が、次第に暖かく、そして安心できる匂いに変わっていきます。お母さんクマが、こぐまの体を優しく抱きしめました。
「おやすみ、こぐま。春になったら、また一緒に遊ぼうね」とお母さんクマの声が聞こえました。
こぐまは、ウトウトとしながら、「うん…おやすみ…」と小さな声で返事をしました。両親の温もりと、洞穴の心地よい暗闇に包まれ、こぐまはすぐに深い眠りにつきました。
長い、長い冬が過ぎ、ある日、洞穴の中に暖かい日差しが差し込んできました。こぐまは、ゆっくりと目を覚ましました。
「ん…?」
隣を見ると、お父さんクマとお母さんクマも、ゆっくりと体を起こしているところでした。
「おはよ、こぐま」とお父さんクマが優しく言いました。
こぐまは、なんだか体が軽くなったような気がしました。洞穴の外からは、鳥たちのさえずりが聞こえてきます。
「春だ!」
こぐまは元気に立ち上がり、両親と一緒に洞穴から出て行きました。森は、新しい命の息吹でいっぱいです。緑の葉が芽吹き、花々が咲き始めていました。
初めての冬眠を終えたこぐまは、ちょっぴり大人になった気分でした。そして、また新しい季節を両親と一緒に楽しむことができる喜びを、全身で感じていました。
楽しんでいたただけましたか?
お子様の知りたい、学びたいという気持ち そして国語力を伸ばしていけたら良いなと思います