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一章 その弐
数日後。
メリス「皆さんこんめり〜」
カルマ「こんかる〜」
メリス「『心の星』相談室長のメリスです」
カルマ「副室長のカルマです」
メリス「本日もようこそお越しくださいました。今回は相談者を2人お呼びしています」
『2人?珍しいね』
『いつもは1人しか呼ばないのに』
『前回は莉犬くんだったよね。今回は誰だろう』
メリス「それでは相談者をお呼びします。カラフルピーチのヒロさん、いんくのしゅうとさんです」
カルマ「どうぞ、入って来てください」
真弘は通話に参加した。
真弘「カラフルピーチのヒロです。よろしくお願いします」
しゅうと「いんくのしゅうとです。お招きいただきありがとうございました」
真弘「しゅうとさんも相談しに来てたんだね」
しゅうと「ヒロさんも・・・まさかここで会うなんて」
メリス「2人とも夏コラ企画で話したことあるんじゃない?今回は知り合いがいた方がいいかなと思って、2人を呼んだの」
カルマ「初対面の人よりかはマシかなって。ここではタメ口で話をしたいんだ。無理はしなくていいけど、よかったら楽にしてって」
そうして、穏やかな配信がスタート。4人であつ森をしながら、メリスが話し始めた。
メリス「まずは、貴方達の相談内容を聞きたいわ。何があってここに相談しに来たの?」
真弘「最近コメント欄で羊いじりのネタが増えて来てて。困ってるんです」
しゅうと「俺は歌が下手くそだってよく言われます。もう歌ってみたの投稿、やめようかと思ってて」
メリス「なるほど、2人ともコメントのことでお悩みということね。どうしてそのことで悩んでいるのか、詳しく教えて。黙秘権も使えるわよ」
こんな感じで配信は平穏に進んでいき、真弘も少し心の傷が癒えた気がした。
でも、本当の悩みは言えなかった。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、配信終了の時間が来た。
メリス「2人とも来てくれてありがとう。今日のことが、2人の心の支えになってくれると嬉しいわ」
カルマ「また辛くなったら、いつでも遊びにきてね」
2人は気を悪くする様子もなく、そう言ってくれた。
配信終了後、メリスは突然こんなことを言い出した。
メリス「それで、貴方達の本当の相談内容は?」
真弘「・・・」
メリス「わかってるの。そんなに配信では言いたくない?」
カルマ「あなた達から連絡が来てすぐに、動画のコメントを調べたんだよ。2人とも、同じ被害に遭ってたんだね」
真弘は黙り込んだ。画面の向こうのしゅうとも喋らない。
真弘「おっしゃる、通りです・・・」
しゅうと「嘘ついてるのわかってたの・・・?」
カルマ「うん。動画で聞かなかったのは、公然で言いたくないんだろうなって思ってさ」
メリス「ここなら誰もいない。詳しく話を聞かせて欲しいの」