公開中
駄作/wrwrd
『あんたはいっつもいっつもあたしの言うことを聞かないのね!?あんたもあいつと一緒で!あたしを訴える気なの!?あ"あ"あ"!!』
ああ、また間違えた。
いくら輪廻転生を果たしたって結果は変わらないものなのかもしれない。
でも、疲れたかもしれへんわ…
「学校、行ってきます。」
『あたし、今日は帰らないから3000円でなんか食べて。』
「はい…」
『チッ…イライラさせんじゃないわよ。さっさと行け!!』
昨日男と女が喧嘩したときに投げたビンのかけらを俺に投げてきた。
腕、耳などに擦り傷ができてしまう。
ああ、コレも何度目だろうか?
いらないらしいけど、ならなんで俺のことを生かそうとしてるんだろう。疑問になるから聞いてみた。
『そりゃあ、あんたは将来顔が売れるだろうからねぇ。十分に育ててあたしの金を稼いでもらうんだよ。』
って言ってたっけか。
顔が売れるってどういうことやろか。
そんなことを考えていれば学校に着く。
「あ、シッマやん!おははー!!」
「お!ゾム!にトントン、大先生もはよ!」
「ちょ、俺もおりますけどぉ!?」
「あれ〜?ロボロさんの声が聞こえるんやけどどこにおるんや〜?w」
「ここにおるやろがい!!!」
「…?シッマ、元気あらへん?」
「うぇ!?↑いや大丈夫っす…」
「…」
「わぶぁ!?!?」
「ヘイヘイシッマさん背中がガラ空きでっせ〜?」
「チビの力舐めんなよォ!!」
「冷たァァwww」
「やめてくれメンス…」
雪合戦が始まろうとしていたところに、俺たちの担任である猿山がきた。
「こら〜〜??」
「あっ!!猿山!」
「先生をつけろ〜。ていうかなにしてんだお前ら。」
「雪合戦!」
「らだ男くんもやる?」
「中休みにな。」
よし、上手く誤魔化せてるはず。と、俺は思うだろうけど、今度はもうそういかない。
だって、輪廻転生してんだからさ。
---
「大先生、見て見ぬふりが上手やなぁ。」
「……なんのことや」
このシッマの言葉はものすごく、前から僕が転生してシッマを救おうとしてることを知っているような言い方だった。
僕はつい、シッマの顔を睨んでしまう。
「いややなぁ。睨まんでや。怖いで」
「シッマも転生しおるんか?」
「せやで。」
答えはひとつだ。シッマが死なないようにすればいいだけ。
「なら、もうシッマが死なないようにすることなんて簡単やろ!相談してやれば…」
「ダメや」
、?今、なんと言った?こいつは、自分が死ぬことに抵抗はないのか!?
「なんでや!なんや!お前は死ぬのが怖くないとでも言いたいんか!?」
「死ぬのは怖い!!でも、でも…俺のせいで、友達が死ぬ方がよっぽど怖いんや…」
なんだ。僕と全く同じやないか。
「シッマ、今はとりあえずやめよ。教室戻って作文書こうや」
「せやな…この話はまた放課後」
「おうよ」
そこで僕とシッマは別れた。
分岐点を探しては試してまた戻ってって言うのを何度も繰り返してきた。
いま、僕の感情がむき出しになって、ものすごく、シッマの顔を見る度に痛くなる。
「それじゃ、作文書く時間取るから書いてね。
自分が感じたこと、経験、又は将来のこととかでもなんでもいい。自分が思ったことを思ったように書いてね〜」
僕は、両腕を抑え、さむがっているようなポーズをとる。
「題名、どうしようかなぁ」
僕は抑えていた腕を下ろし、右手には鉛筆を持った。
作文用紙には何も書かれておらず、その分僕が持っている鉛筆はとがったまんま。
僕はふと何かが降ってきたように書き始める。
『 キモチ 』
…小学生なのに、こんなことを書いて平気だろうか。
そんな躊躇なんて僕にはなくて、どんどん僕が思ったことを書き始める。
『なぜ、人間は争いを続けるのでしょうか。
やめてほしい人だって居るし、自分の国のためだとかいうけど、そのせいで親や恋人、子を亡くした人にとっては戦争をしなかった方が良かったと思います。
僕は、その中でも僕たちは平和な方だなぁとは思いますが、僕の友達には自分のことを「駄作」と呼ぶやつも居ました。
僕にはその意味を理解できず、「全然駄作じゃないよ」としか慰めることができませんでした。
それが大きな間違いでした。
それが分岐点となることを僕は知らず、勝手な同情を吹っ掛け、勝手に自分はわかってますよみたいな雰囲気を出していて、でもそれは彼にとっていらない行為で、邪魔であることがわかった頃には遅かった。
彼は自殺しました。
綺麗な赤い花を咲かせながら、首を吊って死にました。僕には、今の彼の方がよっぽど駄作に見えました…が、彼にとってはこれが傑作だったそうです。
彼には、血が綺麗に見えるようです。
そんな彼は、僕に最後にこう言ったんです。
「俺って失敗作なんだって。
頑張っても意味ないんだって。
愛されたかったなぁ…嘘の愛でもよかったから、愛されたかったなぁ…」
と言って、笑いながら死にました。』
「!?だ、だだ大先生どしたん!?」
「せんせー大先生が泣いとる!」
「どうした鬱?」
「俺の方が失敗作なのになぁ…」
「失敗作?なんや?それ?とりあえず保健室いく??」
僕の気持ちと考えたこと、見たこと、経験したこと、言われたこと全てを簡単に書き記したもの。これは一生持っておこう。
彼が傑作の笑顔を見せるまで。
---
変なの。
ちっとも面白くないやん
駄作じゃん。
俺に比べたらマシやけど。
愛されたくて偽りの笑顔と偽りの愛を振り撒い続けただけの|俺《クズ》なんて
愛想笑いを振り撒くだけで、いいんかなぁ…
「47715回目かぁ…なぁ大先生。
大先生の世界線では、俺のこと救いたいんやろな。でも、俺にとっては最悪なんよなあ…」
これが、のちに死神と言われるなんて、誰も分からないから。
よくお話のないよう分かりまへんね。あとで日記に書きます☆
あいほーぐみでした!
つぎもあいぼーぐみです。
next song…四季刻歌