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新月
思いついたら丁度新月の日があったので投稿日は新月です。
満月の夜、海の見える高台。絶好のデートスポットだ。そこで、勇気を出してフリスクは言った。
「月が綺麗ですね………!」
「あおこうげきをしたら……青い月も見れるかもしれないし、手が届くかもしれないな。」
「……!」
保留にしたい、というサンズからの言葉にフリスクは反応する。
「2週間後の昼、またここで会ってくれるか?」
力無くそう言ってサンズは笑った。
*
コンビニのコーヒーを持って手すりにもたれかかるサンズ。その隣にフリスクは歩んでいく。
「……新月が綺麗だな」
何もない空に向かってサンズは呟く。
「……それって。」
どんなあなたでも、欠点のあるあなたも愛していますという意味で用いられる言葉だ。
だけど、このサンズが呟いた言葉はそのような意味を持っていないと、フリスクは気付いた。サンズは本当に新月を見ている。
「そいつはさ、もう姿が見えないんだよ」
そいつ、と三人称を使った時点でフリスクは失恋が確定してしまったが、泣くわけにはいかないと唇を噛み締める。
「死んじまったのかもしれないけど、なんかまだ諦めきれないんだよ」
サンズの独白は続く。
「そいつ以外のことは諦められたのに、バカみたいな話だよな。もう一回だけ会えたら、諦められるかもしれないけど。」
サンズのその言葉に、フリスクはとうとう泣き出してしまう。怠け者で、全てを諦めてしまったサンズに諦めきれない人がいるなんて、しらなかった。
「……悪かった。こんな話して…酷だったよな。」
サンズはいつものようにフリスクの頭を撫でる。
「“新月が綺麗ですね”の本当の意味じゃない方でオイラは言ったけど……」
そういえば、とサンズが続ける。
「実は本当の意味も含んでるっていうか…。」
「…えっ……?」
弾かれたようにフリスクが顔を上げる。
「あー………完璧な親善大使フリスク…“天使”と謳われるアンタより、地底にいた頃のモンスターのみんなと対等に笑い合って、ちょっとドジっ子なくらいのフリスクの方が好きって言うか……。」
最後の方は早口で口篭ってしまったサンズにフリスクは最後ボクのことディスったでしょ、とむくれた。
「いや、オイラはアンタが無理してそうだなって思っただけ。」
「…親善大使をやってるのも、自分がやりたいからだよ。」
涙を拭ってサンズの方にフリスクは向き直る。
「でも疲れちゃったりモチベ下がったら、サンズに思いっきり甘えていいんだよね?」
「ああ。アンタはオイラにとって唯一の恩人、かもしれないからな。」
「ええ、そこは断言してよ……」
「いや、ホントに感謝してるよ。」
またいつもの調子に戻って2人は歩き出す。
サンズにとっての「新月」に会わせてあげたい、そうフリスクはケツイした。
*
”新月“との逢瀬を望み、“新月”な彼女を愛す彼。
サンズはそこまでガスターに愛はないけどモヤモヤしたまま執着が残ってしまっている。ガスター(?)←←サンズ→←←フリスクな感じです。