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一章 その参
真弘は全てを話した。
しゅうとも話してくれたが、ほぼ同じ内容の嫌がらせを受けていた。
メリス「なるほど、突然すごい攻撃的なコメントが来るようになった・・・と」
カルマ「そして、リーダーに相談したけど注意だけで終わり、みんな同じなんだから我慢しろと言われた・・・。リーダーならありえない対応だね」
メリス「コメントからしてやばい雰囲気は出てるはずなのに、それでも注意しかしないなんて・・・。いくらみんなアンチに困らされていると言っても、流石におかしいわよ」
真弘「俺・・・どうすればいいんですか?」
メリス「うーん・・・2人とも精神的にかなり疲弊してるみたいね。一旦グループでの活動は休んだ方がいいと思うわ」
カルマ「どっちもメンバーとシェアハウスしてるんだよね。メンバーと会うのが嫌だったら、うちに来なよ」
しゅうと「いいの⁉︎迷惑になると思ったんだけど・・・」
メリス「迷惑?そんなはずないわよ。困ってる人は助ける。それが私達のモットーだもの」
真弘「じゃあ・・・行ってもいい?」
メリス「いつでも大歓迎よ」
メリスは真弘に家の場所を教えてくれた。
その日の夜、真弘は裏口から家を抜け出した。辰哉の部屋に、置き手紙一つを残して。
そして近所の公園でしゅうとと待ち合わせして、教えてもらった住所に向かった。
家の前で2人の少女が立っていた。
メリス「2人とも来てくれたのね。嬉しいわ」
カルマ「早く上がって!」
メリスとカルマは2人を家に招き入れ、お茶を出してくれた。
メリス「改めまして・・・私はメリス。本名は|有栖川綾女《ありすがわあやめ》よ。カルマの姉なの」
カルマ「私はカルマ。本名は|軽井沢由麻《かるいざわゆま》。苗字が違うのは気にしないで」
真弘「俺は灰瀬真弘・・・。ヒロって活動名でからぴちに所属しています」
しゅうと「|登山秋葉《とやまもみじ》です。いんくに所属してるしゅうとです」
綾女「この家ではみんな本名で呼ぶことにしましょう。敬語もなくていいわ」
由麻「グループでの活動は休むの?続けたいならその決断を尊重するね」
真弘「もうグループでの活動は休止するってポストしてきたんだ。理由は音楽活動に専念したいってことにしてる」
秋葉「俺も、同じ理由で。もともと歌みたは出してたから、誰も違和感持ってないみたいで」
綾女「そう。それならいいのだけど」
綾女はそれだけ言い、ソファに腰掛けた。