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シロツメクサに思いを込めて。 6 脱出せよ
日向sideでス
僕たちは7人は体育館に着いた。
「あ、ヤバい。僕ら、最後だ。」
他のグループは既に着いていたらしく、催促する視線が送られる。
仕方ないだろ。集まるのに時間がかかったんだから。
今摩先生がいるグループは、一軍女子のいるグループだ。
まぁ、今摩先生は顔はまぁまぁだけど、明るくて面白いからな。
人気はあるのだろう。
僕たちは若干駆け足で前に進む。
「何するんだろ…。」
凛花がボソッという。
「どうだろう。少なくとも、残酷なものではありそうだけど…。」
そう返答する僕は冷酷とも言えるかもしれない。
しばらく待つ。
すると、アナウンスが始まる音がした。
ピーンポーンパーンポーン
「やっほー!みんな、元気ー?」
スピーカーから聞こえたのは人の声。
明らかに、ボイスチェンジャーを使っている。
「はぁ?元気なわけないじゃん。」
一軍女子の冬野ここなが言う。
「おー、まぁ、落ち着けって。」
「そもそも、あんた誰よ。」
「え?わかんなかった?w」
ククッと笑う声が神経を逆撫でする。
先程、級友が目の前で亡くなって、僕らはパニック状態である。
そんな状況で笑っているだなんて……。
新たな恐怖が僕を覆う。
「あのねー、私は……ジュウロク、だよ!」
「は?」
ここながキレる。
「なんだよ。ジュウロクかよ。おい、このゲームを今すぐやめろ。」
容姿の綺麗なここなはその見た目と反対に性格がキツい。
王女のような存在である。
「んー……無理!」
「なんでだよ!?」
その場でダンッ!と床を踏み鳴らす。
「え?知りたいの?w」
笑いを含ませてジュウロクはこう答えた。
「君たちは、重罪を犯してるの。」
一瞬、頭が、真っ白になる。
僕が…重罪を犯してる…?
全く自覚がない。
「言ってあげよっか?冬野ここな、いじm「あ゛あ゛っ!いいよ!言わなくて!」……ちぇ。つまんな。」
ここなは、ジュウロクの言うことを必死で止め、ジュウロクは拗ねてる様子が伺える。
「あー、でね?第二ゲームのルール説明するね?」
めんどくさそうに始める。
めんどくさいならこのゲームをやめてほしいと思う。
「第二ゲームは脱出。今から、君たちには、脱出ゲームをしてもらう。
もちろん、途中棄権は禁止。
所々に問題があるから。それが正解できれば進めるよ。
まぁ、その答えがゴールするためのヒントになるってことだね。だから、しっかり問題を解いて進んでね?
スタートはここ。体育館。ゴールは、屋上。
制限時間は特にない。今、7チームあるんだっけ?このゲームを突破できるのは6チームだけ。最後にゴールしたチームは残念。ここで脱落となりまーす!
メンバーの誰かが勝手に棄権とか、校外に出るとかしたら即座にそいつは脱落。
でも、それだけじゃ面白くないでしょ?
だから、そいつが入ってるメンバー全員も脱落。
あ、わかってると思うけど、脱落は死だからね?」
長文が一気に耳に入る。
僕の脳はこれを覚えておいてくれるだろうか…。
きっと、覚えてくれるだろう。
最後の文は、1ゲームから大体予測できたことだ。
だが、それを実際に声で表現されるとなるとかなり怖かった。
「ん、ルール説明はこれまで!じゃあ、始めるよ〜?」
問答無用でゲームは始まる。
「さーん」
「にーい」
「いーち」
ぜーろ、と言う声をみんなが走る音にかき消される。
僕らが真っ先に向かったのは近くにあったドア。
「よし、じゃあ私が開けるね!」
ドアノブに手をかける凛花。
「ドアよ開け!」
ぐい、と引いてみる……が、扉はびくともしない。
「ちょ、凛花………いつのまにそんなにか弱い乙女になったんだ…?」
唯が聞く。
「いやいやいや!べつにか弱い乙女じゃないし!?てか、マジで開かないんだけど!?」
やってみてよ、と唯に言う。
「私に頼んでも私はか弱いのでダメでーす。竜野に頼んでくださーい。」
「あァ?」
「そう、竜野。君だよ。」
「…わかったよ」
凛花の3〜4倍ぐらいの力で竜野がドアを引く。
が。
びくともしなかった。
「鍵がかかってるみてぇだ。俺の力でも流石にできねぇな。」
竜野が悔しそうな顔をする。
「あ、鈴音は…?」
凛花は鈴音の方を向いて言った。
「私もか弱い。」
そう言って扉と距離を取る。
「ん〜…無理っぽいね。」
それが僕らの結論だ。
「…扉………全部…開かない……。」
ボソボソと言う夏井。
夏井は静かなタイプでゲームが大得意な奴だ。
あとは、ミステリー系が好きって言う特徴もある。
夏井の言うことだし、信憑性はありそう。
もしこれを凛花が言ってたとしたら……
ちょっとが疑うなかも。
……
なんか……
すごい目で見られてるような気がするけど。
この考えは捨てたほうが僕の身のためかもしれないな。
「じゃあ…どうする?」
鈴音がみんなに尋ねる。
「えぇ〜?2階からぁ、脱出ってぇ、できないのぉ??」
海水が言う。
流石に無理じゃ…?
「いや、できる。」
竜野が言う。
え?嘘だろ??
「今気づいたんだけどよ、天井から一本ロープが垂れてるだろ?あれって、不自然すぎないか?」
「確かに…。」
つい最近までは無かったような気がする。
「んでよ、俺があのロープを登って上に行く。窓を開ける。外からこの扉の鍵を開ける。
どうだ?」
「あーいいんじゃない?」
「頭よ…。」
凛花と唯が返事をする。
竜野の運動神経は歳上からも一目置かれるぐらいだから、きっと実行可能なのだろう。
「じゃあ…やりますか!」
きら、と輝く鈴音の目。
鈴音って、あんな表情するんだ…と少し驚く。
あくまで僕の偏見だけど、鈴音はポーカーフェイス貫きます!みたいなイメージだったからな…。
---
竜野が2階の窓から外に出るまでは本当に早かった。
良かったところは、窓が開けれた、ってところかな。
最悪、窓は開けれなくても壊せば外に出れるけど……
壊したあとが危険っていうのと、なんとなく罪悪感が出てきてしまうから開けれて本当に良かったと思う。
数秒、待つ。
すると、ガチャリ、という音が鳴った。
「開いた…?」
「よーし!じゃあ、私が開けて見せよう!」
「凛花。もう竜野が開けたよ。」
「ふぁっ!?」
「開けるなら、早めに、だな。」
一瞬の笑いが起きる。
あぁ、このグループでよかったかもしれない。
僕は過去の僕を褒めた。
体育館を出て、とりあえず昇降口へ向かう。
すると、一体のロボットがいた。
「ギギッ……アナタタチハ……ダイ4グループデス……右ニアル、装置ヲ付ケテクダサイ…。」
ロボットは無機質な声で言った。
「それで何をするの?」
鈴音が質問をする。
「質問ニハ答エラレマセン…。」
どうやら、質問には対応していない模様。
聞き出せる情報は出来るだけ聞きたかった…。
仕方なく、装置をつける。
装置は、腕時計のようなものだった。
Apple Watchみたいなやつ。
「デハ、次ハ……保健室ニ……向カッテクダサイ…。」
「りょーかーい!」
凛花が無機質ロボットに対して元気よく応える。
まだそんなに元気が残ってるのかよ…。
少しばかり尊敬する。
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僕たちは、一番乗りで保健室へと向かった。
この、消毒液の匂い。
僕は…好きでも嫌いでもどちらでもない。
メンバーの中には平然としてる人もいるけど、嫌そうな顔をしている人もいる。
まぁ、好みは人それぞれだ。
みんなでいろんなところを見てみる。
特におかしなところはなさそうだ。
「あぁ〜!ドア、閉まっちゃってるぅ…。」
海水が言う。
「え、でもさ、後から来たグループは扉開けるんだから、その時に出れば良くない?」
唯が提案をする。
確かに、それはいいかもしれない。でも…
「それをジュウロクが許すのかな。」
「あぁ…。」
僕の中では残酷なジュウロクが許すとはとても思えない。
「一応、それは控えておいた方がいいと思う。多分、謎解きとかして出るんじゃないかな。
保健室にはもうひとつドアがあるんだけど、そこには普段はない鍵穴があったし。」
「おー。さすがは保健委員。」
凛花に褒められる。
保健委員だから、というよりは記憶力がまあまあいいから、って言う方が正しいとは思うけど…。
ま。いっか。
あははは、と笑っていた時。
「…っ!?」
鈴音の声にならぬ声が聞こえた。
「鈴音…?」
鈴音の表情は若干恐怖に歪んでいた。
一体、何があったのだろう…。
--- 続く ---
つ か れ た ☆