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欺瞞
晴瀬です。
いじめ表現があります。
主人公、かなりの屑。
苦手な方はUターン
自己欺瞞する少年の話です。
欺瞞とは…人の目をごまかし、だますこと。
そう、欺瞞という言葉の意味が本当にそれなら僕は欺瞞し続けているだろうね。
僕は笑って、人を欺いて、苦しんで、苦しめた。
「死なないの?」
「さっき、死ねって言ったじゃん」
「それって自分も死ねるから死ねって言ったんだよね?」
「あっれぇ、もしかして自分ができないことを人に押し付けたの?」
「やっば、お前無能じゃん」
「ねえなんで、ほらカッターもだめじゃん」
「ハサミも」
「カミソリも」
「全然死んでないじゃん」
「どこ切ったってやっぱ死ねないんだね」
「検証、ありがとね」
「本当感謝してる、ありがとう」
「まだ、痛くない?」
「まだか〜」
「ねえ、なんか喋ったら?」
「あ、ごめん、気絶してる感じ?え、ウケる」
「あ〜そろそろ痛い?じゃあ最後、ラストスパートいくからちょっと我慢して」
「最後は…蹴りと殴りどっちがいい?なんか、どう?肉体的な痛さじゃなくて精神的な痛み求めてる?もしかしてさ」
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「いじめは、悪いことです。
強い者が弱い者を虐める、いけないことですよね?
皆さん、いじめについてどう思いますか?配られた紙に書いてみましょうか」
『いじめは悪いことだと思います。
自分が強いからと言って弱い人をいじめるのは最低なことだと思うし、もしやっている人がいたら止めてあげたいと思います。
いじめられている人のためにも、いじめている人のためにも。
これは絶対忘れたくないです。』
「やっぱりこのクラスはいじめなんてなくていいクラスですね!皆さん、これからも頑張りましょうね」
「嘘つき」
ねえさっきの聞いて、ああいうの言ってるのいじめっ子だって思ったでしょ?
あれさぁ、僕なんだよね。
言ってんの。
笑えるでしょ?僕を皆いじめっ子だって思ったでしょ?
残念でした〜!
僕はいじめられっ子なんかじゃないで〜す!
あ、でも僕はいじめっ子なんかじゃないよ?
たまに僕のお友達が泣いちゃったり喚いちゃったり叫んじゃったりするんだよね。
痛い痛いって。僕は遊んでるだけなのにさ〜。
だから、黙ってもらわないと困るじゃん?
五月蝿いし問題になるよね?
だから、お腹をぽんって優しく叩くと黙ってくれるんだ〜。
聞き分けがいいんだよ、あ、でもたまに泡吹いてんだけどねw
でもあんな下らない講座の感想に『いじめはだめだと思いました』そう書けば誰にもバレない。
だから僕は優等生。
あいつは無能だから劣等生。
どうせなら告発すればいいのにね、いじめっ子のこと。
でも、そんな勇気、どうせないんだろうな〜。
だから、僕は誰もいじめてません。
どこが、僕のどこが悪いんですか?
友達がいないこの子と遊んでいるだけじゃないですか。
なんで先生、信じてくれないんですか。
僕、悲しいです。
悔しいです。
先生に疑われて、こんな風に問い質される日が来るとは思いませんでした。
「違うのよ」
は?
「その、あの子が私に言ってきたの」
何だよ?
「貴方が…そう、殴ったり蹴ったり、刃物で身体を傷つける、って…」
あ?
「そんなことないと、私も信じられていないのよ」
「だけど、本人から名指しで言われてしまって…」
「傷も、見せてもらったの痣と、傷痕…」
あいつ?
やっぱり無能だ
「ねえ、嘘…よね?」
こいつはどうせ自分のクラスに優等生がいてほしいだけだろ
下らな
「あのね、もし本当ならあちらの家庭が貴方を訴えると言ってるの…警察に相談するって」
「あまり、大事にしたくはないのよ、学校としても」
「本当なら、本当と言って?怒らないから」
欺瞞は、僕の欺瞞は、
人生は、僕の人生は、
誰か、神様、仏様
ねえ
最後に言うならば、
最期に伝えるならば、
欺瞞は、魔法じゃない
欺瞞は永遠じゃない
いずれ暴かれる
誰かの手によって、必ず