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激弱勇者の魔王討伐日記 3話
まっっっっっったく戦うすべを持ってなかったマル!どうすんの!?
「えっ・・・全く何もご存知ないと?」カルテが目を丸くする。「お恥ずかしながら・・・ずっと魔物も来ないレベルの平和すぎる村にいましたからね・・・」「じゃ、じゃぁ!」カルテが僕の手を握る。
「私がマルさんに魔法、教えて差し上げます!」
こうして、カルテによるミニ魔法修行が始まった。
「マルさんは剣がありますし・・・先に防御魔法をお教えしますね」「あ、はい」
「マルさんの性格的に・・・防御と言ってもバリア系が得意そうですね・・・」「そうなんですか?」「はい!」
カルテの話によると、魔法というものは、感情や性格に深い関係を持つらしい。
気持ちが高ぶっていれば、魔法の威力も強くなる。
「と言っても、まだ少ししか話してないじゃないですか・・・」「あ、私・・・というか私は家系の中でもダントツで魔法のセンスがあるそうで・・・」「えっ、すごいじゃん!」「えへ、そうですかね・・・って、本題に戻るんですけど・・・練習してできるようになった魔術で、相手の得意な魔法がわかる、っていうのがあるんです。失礼ですけど、教えるってなったときに実は使ってみてて・・・」「それで、防御系が得意っぽかったと・・・」「はい、でも、剣も使えて防御もできるってなったらかなり強いですよ!」「そ、そうなんだ・・・」「では早速教えて行きますね!」
「というか今思ったんだけど・・・僕ずっと一般人だったんだけど・・・魔法って誰でも使えるものなの?」「はい!」
カルテによると、魔法は実質、誰でも使えるらしい。
僕達一般人が魔法を使えない理由は、使おうと思ってないからと、魔法の出し方をわかってないかららしい。
「じゃぁ教えますね・・・魔法を使おうと思うときは・・・」ゴクリ、と生唾を飲み込む。
「だいたい気合で行きます!」
「・・・ハ?」「使うぞー、と思ったらだいたい使えますよ〜。まぁ、使う魔法のイメージが湧いてないと駄目ですけど・・・そうだ」カルテがほっ、と軽く力むと、彼女の指先にマッチくらいの小さい炎がポッ、とついた。
「こんな感じで、指先にマッチくらいの炎を出すイメージをしてみてください!」「こ、こうかな・・・」自分にできるのかな・・・まぁとりあえず・・・魔法使うぞー!えっと、指先に小さい火・・・
ボッ🔥
・・・とはならず。
「う、うーん・・・ッ」「ま、まぁ普通そうらしいですよ!私と一緒に練習してやれるようになりましょ!」
「らしい」ってことは、カルテは1発で成功させたのか・・・
「この基礎魔法が使えるようになったら、だいたいの魔法は使えるようになりますから!」
こうして、僕とカルテは指先マッチの練習を続けることにした。
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