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3話
「皆揃ったか?大丈夫か?」黒犬を従えた|月人《つきと》が声をかける。
「ケケ、俺に労いの言葉はねぇのかよォ、月人」「はいはい、カルマもお疲れ様。《《いつも》》能力発動してるからキツイよな、よしよし」「なんだか投げやりだがまァいいぜ」月人が黒犬―カルマを撫でる。
「|私《わたくし》達も無事ですわ!」「リーダー、|姉様《ねえさま》も私も大丈夫です」長い黒髪に赤目の少女と、白いおかっぱ頭に青目の少女の声がこだまする。「|鼎《かなえ》、|要《かなめ》」月人が呼ぶと、二人の少女―|黒野《くろの》鼎と要が頷いた。
「・・・ということは僕たちが最後ですかね、遅れました」「リーダー!来たよー!!」「遅れてはないから安心しろ二人共。・・・まぁ気にしてないやつが一人いるが・・・」銀髪に眼鏡の少年―|木賊《とくさ》|椎葉《しいば》と、顔隠しを付けている少女―|五百森《いおもり》|琉真《るま》が最後にやってきた。
「みんな揃ったな、じゃぁ作戦会議だ、今回はF地区の軍団を消滅させる」月人が宣言した。「ケケ、F地区ってあれだよなァ、まぁまぁ強いとか言うさァ」「私達にかかれば一瞬で終わらせてみせますわ」「そうです。私達にはリーダーと姉様がいらっしゃいますから」カルマと鼎、要が力強く頷いてみせる。「援護くらいしかできないかもしれないですけど、とりあえず頑張ります。―何かあれば琉真ちゃんを出してあげればいいので・・・」「そんなこと言って毎回出してくれないじゃん!!弱い敵が多すぎるのー!!」冷静な椎葉の横で、琉真が頬をふくらませる。「まァ琉真は強いからなァ、出さないんじゃなくて《《出せない》》んだよなァ。まぁ指くわえて見てろっての、ケケッ」「カルマずるいー!!」「カルマ、琉真、喧嘩しない」月人が諌める。
「結構は明日の夜。準備しておけよ」「「「「「はい、リーダー」」」」」
暗い夜はふけていく。打って変わって、一部は元気だった。
DATA
カルマ 危険度SS
識別名 カメレオン
能力名 チェンジ
姿を変える能力。生物だけでなく、物体に返信することも可能。いつもは黒犬の姿をしている。