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表はアイドル、裏の社会は最強キラー。02
レイ
「夜は凪いだ。もう音はしない。」
私はそう言った後、耳元に付けたインカムで連絡した。
「処分完了です。」
「お疲れ様でした。今からそちらに向かいます。」
私のマネージャー、組織で働く私専属のマネージャーは言った。
組織の車はすぐに来た。私は後部座席に乗り込んだ。死体は別の車に乗せた。
「やはりすごいです。shadeさんは。明日は収録があるので、早めに寝てくださいね。」
「分かってます。私ももう子供ではありません。」
「すみません。shadeさんが小さかった時から知っているので。」
車が組織の寮に到着すると、私は血がついてしまった戦闘服を洗濯機の中に入れ、大浴場のシャワーで顔に付いた血を落とした。軽く湯に浸かった後、就寝用の服に着替えて、荷物を持ち自分の部屋に向かった。総勢50人、私の住む4階には10人が住んでいるが、もう何年もここに住んでいるし、部屋の扉には「shade」というプレートがついていたので、すぐに分かった。自室の鏡で顔を確認する。アイドルとして当然のことだった。真っ黒の髪は艶があったし、顔に血や傷はない。殺し屋なことが世間に知られないために、就寝前にいつも確認していた。
アイドルグループ「スターリズム」に所属するダンスの得意なメンバー、「夜凪凛。」彼女はファンに笑顔を振り撒く傍ら、人を殺すことで生きて来た。コードネーム「shade」影を意味する名前をもつ彼女は、サイレンサー付きピストルと小型ナイフを使い、無音で人の人生を終わらせる。殺し屋業界の中でもアイドルであることを隠していたが、殺し屋業界でついたあだ名は「無音の死神」だった。
翌日彼女はマネージャーの車で学校に行った後、収録を終わらせて寮で過ごした。この日は仕事の忙しい凛にとって、久しぶりの依頼がない日だったので好物の牛肉のパイ包みを食べ、ゆっくりと入浴した後に早めに眠りについた。
彼女に依頼が入ったのはその3日後のことだった。
「shadeさん。依頼が入りました。今回はもう1人と協力してもらいます。」
人と関わることがあると素性が知られる恐れがある、会話も極力控えてきたのでもちろん断った。
「1人で殺せますよ。そんなに多いんですか。」
「今回の人数は30人です。」
ちなみに私の最高記録は10人だった。仕方がない。協力してやろう。
「で、誰とですか?あまり嫌な人だったら断りますよ。」
「shadeさんと同い年です。veilという名前ですが、知っていますか?」