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メッセージ読み上げの会!①
“|@Hakkyouma《藍染 澄衣》が配信を開始しました”
澄衣「わっしょ──ギャァァァ!!!!!!生きてる生きて──っ……ぐああああ!!!!!」
開始早々、澄衣は階段から熊が滑り落ちたような音と叫び声を上げて視聴者を困惑させた。
『えなになに』
『どした?』
『生きてる?』
『死んだなこりゃ』
澄衣「殺すな勝手に!!!…ったぁ…」
どうやら挨拶の時に腕を振り上げたら、勢い余ってそりかえってしまい椅子から転落したらしい。そして起動したのち、机の脚に足の小指を強打したようだ。
なんとも不運続き、年明けも近いのに不安である。
澄衣「まぁまぁ、本日はメッセージ読み上げの会です。心してかかれぃ!!!!!!」
『任せろ』
『テンションバグ草』
『ほんとにね』
澄衣は雪崩のような音を立てつつ『あやっべ』『ちょっと待って』『うわさぁぁぁ!!!!!』などと奇声を上げながらやっとの思いで台本を引っ張り出すと、こほんと咳払いをした。
『部屋片付けろ』
『汚部屋ダァ…』
呆れる視聴者総スルー。澄衣は台本を開くと、実況中継顔負けの勢いで捲し立てた。
澄衣「さぁさぁやってまいりました、澄衣へのメッセージ紹介!今回は二通のメッセージを紹介します!まず一通目ぇ!」
<「こんにちはー!からふら推しです!!クラスでもよくにゅーすたとかからふらのこと話してます!!澄衣様大好きです!!!付き合って下さい!!(は?)」
『おお盛大な愛語り』
『付き合ってくださいは草』
『いいじゃないの』
澄衣「知らない方に説明すると、私はNew Stars.っていう事務所の0期生で…0期生をたくさん集めたColorful flower friends.に所属してるんだ〜。まぁ通称からふらってことで…」
『そうなんだ』
『個人勢だと思ってた』
『↑ユーザーページ見ろ』
興味津々な視聴者に事務所の仕組みを説明すると、メッセージ返信タイムに入った。
澄衣「まず、応援ありがとう!クラスでも話してくれてるのとんでもなく嬉しいわ〜!もっと布教、頼んだわ。そんでまぁ、大好きって言ってくれてありがとー、付き合うことはできないけど、これからも藍染澄衣をよろしくね!……こんなとこか」
『こんなとこかは草』
『台本読みやがったなこいつ』
澄衣「いいじゃん台本読んだって!台本だって、心を込めて書いたんだから!!!!!心を込めて読んだわ!」
きゃっきゃと盛り上がる澄衣の元へ、一件のコメントがやってきた。
『付き合えないってことは、彼氏いるとか?』
澄衣「え彼氏?いないいない!いるわけないじゃん」
『じゃあ好きな人は?』
澄衣の賑やかな配信に、数秒の沈黙が訪れた。
澄衣「……それじゃあこの辺で!ばーい!」
『逃げた』
『確定演出』
『嘘つくの下手すぎだろ』
“|@Hakkyouma《藍染 澄衣》が配信を終了しました”
後編に続きます。