eve家　mr.シャーデンフロイデパロ

「救いようのない罪に……救済と復讐を……∞」 その言葉から始まったこのデスゲーム。 そこには8人の参加者がいた。 皆、どうしてここに呼ばれたのかわからないようだった。 このゲームの名は、【Mr. Schadenfreude】 人狼ゲームのようなデスゲームだ。 人間は、生きていることに罪がある。 だから、その｜生《罪》を味わう必要がある。 永遠に。 ▽ 彼等は小さな村に来ていた。 だが、突如として発生した土砂災害のせいで閉じ込められた。 不思議なことに村人はおらず、8人取り残されてしまった。 くるくる　「完全に孤立したな。」 ダンサー　「…だめだ。圏外になる。」 おき　「じゃあ、全員ここに取り残されたってわけだな。」 ぱっつん　「あ、なんかある。」 弟切飛　「いや、なんかあるじゃねぇよ。」 ゲットー　「食料とか?」 ぱっつん　「いや、ただのカード。」 くるくる　「流石にカードは食べられないよ。」 弟切飛　「何?『カードを引かなければここから出られない。』だって。馬鹿らし。」 『聞こえるか。』 ダンサー　「誰?」 『お前たちにはデスゲームをしてもらう』 おき　「はじめの挨拶くらいしろよ。」 『そこにあるカードを引かないのであれば、死ぬことになるだろう。』 ゲットー　「引いたらどうせ参加させられるんだろ。」 『そのとおりだ』 くるくる　「素直だな。まあ、どちらにせよ引くつもりはないけど」 ぼくらの　「うわー」 弟切飛　「若干棒読み感が出る書き方だな。」 ぱっつん　「とりあえず行ってみるか。」 ダッ ▽ ぱっつん　「どうしって、文ちゃん?」 ぼくらの　「あの声が聞こえたと思ったら。」 ダンサー　「たしかに、あの声が聞こえた時に何を見てたか、思い出せない。」 ゲットー　「まだ一言も話せていないだろうに。」 くるくる　「いや、そこじゃないから。」 おき　「なんか、カードが引っかかってる。」 ダンサー　「あそこだと取れないような気が」 弟切飛　「俺がとる。」 バッ（ジャンプ） おき、ゲットー　「おぉ」 ぱっつん　「猿みたい（身軽という意味。）」 弟切飛　「あ゛?」 くるくる　「あー。なんて書いてある?」 おき　「村人1。」 ゲットー　「さっきのカードっぽくない?」 ダンサー　「たしかにそれっぽい。ていうか、ゲットーその首輪どうした?」 ゲットー　「首輪?そんなんしてないけど・・・。」 くるくる　「首輪言うなし。」 ぱっつん　「それ言ったら、ダンサーもつけてるじゃん」 ぼくらの　「全員がつけてるってこと?」 くるくる　「いつの間に?」 『そのチョーカーをつけた方は皆、ゲームに参加してもらう。』 おき　「途中棄権は?」 『認められない。お前たちの手にカードを持たせた。確認しろ。』 『ちなみに悪魔陣営の人は内容を言ってはいけない。』 くるくる　「またこの声か。って、マジでカード持ってるし。」 ダンサー　「なんか、人狼ゲームみたいだな。」 おき　「というより、なんで文ちゃんは殺されたんだ?」 弟切飛　「ルール説明がなかったしな。」 ぱっつん　「ルール書かれた紙発見した。」 くるくる　「どこで!?」 ぱっつん　「そこで。」 ぼくらの　「それで、ルールは?」 ぱっつん　「えっと、」 『役職は悪魔、狂人、村人、神官、騎士、葬儀屋 騎士は、村人を人狼から守れる。 神官は、役職を占える。 葬儀屋は、吊るされた人の役職がわかる。 狂人は悪魔の協力者 悪魔は、村人をすべて殺さないといけない。 村人は、悪魔を探し、処刑しなければいけない。 夜、悪魔は村人を殺す。 村人は誰が殺したのかを推理して、悪魔を吊るす。 どちらかが滅べば生き残った方は開放する。』 ぱっつん　「だって。」 『ルールは確認できたか。では、スタートする。』 こうして、よくわからないですゲームは幕を開けた。 --- おき　「と言われても、具体的にないすればいいんだ?」 くるくる　「身の潔白の証明とか?」 ダンサー　「なるほど。」 ゲットー　『気高き古の惡魔が　蘇り「誰か」に憑き穢れし村人の魂に　｜死《救済》を施すだろう』 弟切飛　「急に言うなよ・・・。」 ゲットー　「急に頭に流れ込んできた。」 くるくる　「じゃあ、ゲットーが神官ってこと?」 ダンサー　「そうなんじゃないかな。」 おき　「とりあえず、あの館にでも入るか。」 ぼくらの　「そうだね。」 ダンサー　「なら僕は文ちゃんの遺体を埋葬してくる。」 くるくる　「葬儀屋ってことか。」 ダンサー　「ぱっつんも館にいきな。」 ぱっつん　「なんで、文ちゃんが死んだんだよ・・・（泣）。」 ダンサー　「っっ。」 ぱっつんのその一言で、ゲームが始まったことを理解せざる負えなかった。 ▽ その日の午後。 ゲットー　「今日は、誰かを処刑する必要はないから、明日から・・・。」 ぱっつん　「っっっ。この中の誰かが……!?」 くるくる　「文ちゃんをあんな目に……?」 弟切飛　「悪魔だとか、ゲーム?だとか……興味ない。どうせ、夢オチとかでしょ。」 おき　「とりあえず、誰だよ!早く名乗り出ろ!」 ダンサー　「悪魔なんて、いるわけがないから。」 ぼくらの　「大丈夫だよ。ぼくが、皆を守る。」 ゲットー　「でも、騎士は一日一人しか守れない。」 くるくる　「悪魔に狙われた人を守ればいいってことだろう。」 おき　「誰も、名乗り出ないな。」 ダンサー　「もうすでに、ゲームは始まってるってこと?」 弟切飛　「面倒くさい。もう寝る。」 ぱっつん　「そうだな。僕らも寝るか。」 ▽ その夜 ぼくらの　（今日はまだ、何も起きていなっ） ザシュッ ぼくらの　「ぐっ」 ぼくらの　（一体誰が・・・!?） ぼくらの　「なんで、きみが」 ぐさっ ▽ 翌朝 ゲットー　『怒れる古の惡魔が　哀れなる【騎士ナイト】を救い穢れし村人も　残らず｜殺《救済》して見せるだろう』 ぱっつん　「朝から、聞きたくもないニュースだな。」 おき　「なんであいつが殺されたんだよ!」 ダンサー　「ひどい。腹部を数回さされて吊るされたみたいだ。」 くるくる　「なんで死体をまじまじと見られるんだよ。」 弟切飛　「救済っていうけど、全く救われてなくない?」 ぱっつん　「傲慢だな。」 ▽ 館にて ゲットー　「今後の予定だ。夕刻までに悪魔を吊るす。」 ぱっつん　「僕が敵をとる。」 弟切飛　「そういっても、どうせ、皆死んじゃうんだろ。」 くるくる　「もう辞めよう。疑っても意味がないから、僕が吊るされる。」 ダンサー　「・・・すこし気になってること言ってもいい?」 ゲットー　「何?」 ダンサー　「ねえおき。なんでぼくらのが、おきのチョーカーを持ってたの?」 おき　「ッッ!?」 ゲットー　「つまり、おきが悪魔ってこと?」 おき　「違う!僕はやってない!」 ぱっつん　「たしかに、一番最初に名乗り出ろって言ってたし、」 弟切飛　「首輪もなくなってるしね。」 おき　「それは、朝起きたらなくなってて、」 ゲットー　「・・・最終投票をしよう」 投票数　おき5票　処刑決定。 おき　「なんで・・・。僕は、本当に・・・。」 ▽ ゲットー　「悪魔を吊るしたなら、狂人が残っているはず。」 ゲットー　「彼は、何の役職なんだ?」 ゲットー　「悪魔・・・。つまり、おきは」 グサッ --- 翌日 ゴーンゴーン（鐘の音） ダンサー　「昨日鐘なんて、鳴ってなかったけど・・・。」 屋外に出る。 ダンサー　「っ嘘・・・だろ。」 ダンサー　（なんでゲットーが吊るされている。昨日、ゲットーは何をしていた?乱闘する音は聞こえなかった。） ダンサー　「でも、すごくきれいだ。」 ▽ 同時刻 ぱっつん　「飛!!飛!!!出てこいっつってんだろ!」 くるくる　「ぱっつん!単独行動は危険だって!」 ぱっつん　「飛がいなくなったんだぞ!」 くるくる　「だからって、」 ぱっつん　「まだ、墓の方に行ってない!」 くるくる　「教会がある方?あっちならさっきダンサーらしき人影があったくらいだよ」 ぱっつん　「とりあえず、行って探すしかっっ。」 くるくる　「・・・え?」 ぱっつん　「吊る・・・された?でも、墓で?」 くるくる　「多分、自殺だと・・・。」 ぱっつん　「手紙?」 『モウ限界ダ。 コノママ疑イ合ウノナラ 早ク｜救済《殺》シニ来テ……!!』 ぱっつん　「っっぁあああ!!!」 くるくる　「騙したり、吊るしたりするより、｜善良《ヒト》のまま、｜死《救済》にたかったのか?」 くるくる　（でも、そんなことどうだっていい。） ぱっつん　（飛が死んだのに、） くるくる&ぱっつん　（｜死《不幸》がものすごく気持ちイイ……。） くるくる　「・・・いったい誰が｜悪魔のゲーム《こんなこと》を?」 ぱっつん　「全部「惡魔の｜所業《せい》」にする「誰か」…………のせいにする【誰か】が……？」 くるくる　「・・・とりあえず、ダンサーのところに行こう。」 ぱっつん　「でも、ダンサー何してんだ?」 くるくる　「ゲットーの死体、食べるつもりレベルだよ、あの顔の近さ。」 ダンサー　「あ、二人は無事だったんだ。飛は?」 ぱっつん　「あいつ、自殺したんだ・・・。」 ダンサー　「そっ・・・か。」 ぱっつん　「ダンサーこそ、何してたんだ?」 ダンサー　「ゲットーを降ろしてただけだよ。」 くるくる　「にしては、顔が近かった気がするが、」 ぱっつん　「そんなに、死体が好きかよ。お前が悪魔なんじゃないのかよ!!」 くるくる　「まあ、醜悪で冒涜的すぎる。人間の｜嗜好《ソレ》じゃない!」 ダンサー　「そう?僕は、ただの葬儀屋。｜死体《彼等》しか愛せないだけ。」 ダンサー　「そして、僕が愛でた彼らは皆、｜人間《ヒト》だったよ。」 くるくる　（ダンサーは、ネクロフィリアだったのかよ。） ぱっつん　（色々な意味で、興奮してるダンサーなんて初めて見た。） ダンサー　「それより、飛はどこにいる?埋葬しないと。」 ダンサー　（今まで、こんな風に感じたことなんてなかったのに、今はただ、早く死体が見たい…） くるくる　「ダンサー、流石にお条際が悪いよ。」 ぱっつん　「ダンサー。いやお前が悪魔だったんだな。」 くるくる　「・・・残念だよ。」 ▽ ぱっつん　「悪魔を吊るせた。ありがとうくるくる。」 くるくる　「いや大丈夫だよ。そんな、活躍できてないし。」 ぱっつん　「明日には、脱出できるだろうから一杯どう?（酒ではないです。）」 くるくる　「そうだね。」 ぱっつん　「乾杯しよっか。」 カラン（乾杯したときのグラス音。） くるくる　「ん。おいしい。」 ぱっつん　「そうだね。」 くるくる　（あ・・・れ?視界が・・・ぼやけて・・・。） ぱっつん　「くるくる?どうかした?」 くるくる　「あ・・・」 くるくる　（声が出ない・・・。僕が、｜狂人《過ってしまった》から・・・ならしかたない・・・。） どさっ ぱっつん　「くるくる。安らかに眠ってね。」 ぱっつん　（最初から、全員僕に騙されてたんだ。） ぱっつん　「救われるなんて、勝手に勘違いして。」 ぱっつん　（永遠に果たされない救済劇にちょっとした休憩を入れただけだ。） ぱっつん　「じゃあ、最後の仕上げだ。・・・本当は、飛と逝きたかったんだけどな。」 ドサッ そして、再び静寂が戻った。 --- 【GM.Mr.S】「また誰も救えないまま……∞」