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【8話】最強への道
完全日常回です。が、新しい人物が一部に登場します。
俺達は確実に強くなっている。最弱クラスのはずが今では最も優秀なクラスを|凌駕《りょうが》するほどの実力を身に着けている。もちろん、何で最弱クラスにいるのかわからないほど強い一部の連中の力もある。しかし俺は、クラス全体の能力が向上していることを感じている。
が、当然他のクラスも黙ってはいない。何かと理由をつけて突っかかってきたり、決闘を申し込んできたりと、なかなかに|物騒《ぶっそう》な毎日である。
「私立シュプリーム学園って、この国立学園に並ぶすげー学校らしいぜ」
ルガの解説のように、私立シュプリーム(以下私立)学園は、高い実力を誇っている。例年は、国立学園が大敗するのが常である。
「今年こそは私達がぶっ倒さないと|恥《はじ》」
ジェニスは決意を固めているが、言葉の端々に殺意を感じるのは気のせいだろうか。その横でレノは静かに剣を|磨《みが》いている。
俺達4人は今、実戦室の2階から階下を|傍観《ぼうかん》している。皆気合を入れて自分の能力と技、武器の使い方を磨いている。前期終了と長期休暇が迫る中、これだけの気迫に満ちていることは割と快挙なのでは、と心のなかで呟く。
また、階下ではところどころ喧嘩になっている箇所があるが、喧嘩も実力を上げるにはもってこいのアトラクションなので、今は目をつぶっておく。これを通して、仲間の大切さ、平和の大切さ、実力がわかると思う。それは、本人たちにも大きなメリットになるはずだ。
「おい、危ないだろ」
ルガが喧嘩腰になっている。相手は、同じEクラスの中でも気性が荒いバギだ。
「あ゙あん?ぶつかってきたのはそっちだろ?」
今にも盛大な喧嘩が始まりそうだ。これは止めたほうが良さそう。
「すみませんでした!俺が場所取りすぎてたのが悪いんです!」
思い切り頭を下げる。まあ事実ではあるが。
「いや、なんかごめん」
バギは困った顔をして謝ってくる。バギは根はやさしいやつなのだ。そのままバギは去っていった。バギはいいやつだ。そんなに話したことはないけれど、余計な喧嘩は止めに入ってるし、喧嘩をふっかけてくるやつがいたら徹底的に威嚇している。まあ、全部得意の風魔術でぶっ飛ばしているだけではあるが。
そんなこんなで俺は、人生で最も楽しいと感じている。俺に楽しいと感じる感覚があることに驚いている。それくらい今までは楽しくなかった、辛かったのだろう。もう、すべてを忘れて、今だけを楽しみたい。が、そうはいかないことは分かっている。