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最後の切符
東京の地下鉄、終電間際の丸ノ内線。乗客はまばらで、車内には静寂が漂っていた。そんな中、刑事の佐伯は、ある男を尾行していた。男の名は村瀬。数日前に起きた資産家殺害事件の容疑者だ。
村瀬は何度も振り返りながら、赤坂見附駅で降りた。佐伯も距離を保ちつつ後を追う。改札を抜けた村瀬は、駅構内の古びた売店に立ち寄り、何かを買った。佐伯は柱の陰から見守る。
男が手にしていたのは、古い切符だった。今では使われていない磁気式の乗車券。なぜそんなものを?
村瀬は駅の奥へと進み、封鎖された旧ホームへ向かった。そこは数年前に廃止された幻のホーム「0番線」。佐伯は息を潜めて後を追う。
ホームには誰もいない。だが、村瀬は何かを待っているようだった。時計が午前0時を指した瞬間、ホームに風が吹き抜け、闇の中から一両の電車が現れた。
それは昭和時代の車両。誰も乗っていない。村瀬は迷いなく乗り込む。佐伯も咄嗟に飛び乗った。
車内は異様な静けさ。村瀬は席に座り、ポケットから一枚の写真を取り出した。そこには殺された資産家と村瀬が並んで写っていた。親子だった。
「父さん…やっと会える」
佐伯は息を呑んだ。村瀬は過去へ戻ろうとしている。殺人の真相は、過去にあるのか?
電車は闇の中を走り続け、やがて停止した。ドアが開くと、そこは昭和40年代の東京だった。
佐伯は村瀬を追うが、男は人混みに紛れて消えた。
そして佐伯が振り返ると、電車は消えていた。
現代に戻る手段は、もうなかった。
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