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余命半年、私の心臓君に捧げてみた.
本当、ありがとうございます。今すぐに貴方を抱きしめたいです。
「いやバカなんですか?バカなんですよね?」
「バカバカ言わないでくださいよ、先生。」
「貴方の余命は半年。彼の余命は一ヶ月程度..。
どちらにせよ、彼が生きられるのは一年もありません!
貴方の心臓があったとてなんです。だから...!」
「だから彼ではなく私に半年を使え、ということですね。
私は少しでも誰かが長く生きれる世の中にしてほしいんです。
それが叶うなら私。心臓なんて入りません。
健康でもない腐った心臓なんですから。少しでも人のために使いたいです。」
キリッと私を見た彼女は確かに心に誓った顔で、否定したくともできないほど、意志は固いようだった。
「...臓器移植にはご家族の印が必要です。
それに心臓でから、家族の方からすればあなたの行為は自殺なんですよ。
それでも、ご家族を苦しめようと、彼を罪悪感で押し潰そうとも貴方は彼に心臓を捧げますか?」
「私に家族はいません。前に来たのは施設の人です。
私をカモとしか思ってないので、すぐに印をくれるでしょうから。
しかも、私を褒めてくれるでしょう。
人のために死ぬなんてすごいじゃないか、と。
生きていれば罪悪感なんていつか薄れていくんです。
私が死ぬのなんて、誰もどうも思わないんですよ。」
「..わかりました。彼に伝えに向かいましょう。」
重い腰を持ち上げると私とは正反対に彼女は軽々しく軽快に歩いて行った。
(私が貴方が死ぬと悲しいのですよ。)
無事にご対面した彼は細く弱っていた。
だけど、私が心臓を渡すと言えば、私が死ぬことなんて気にせず喜んでいた。
"やっと"外に出られる! "母さん父さん"待っていてね!
あぁ、やっぱね。
ついに訪れた臓器移植の日。
あんなにこれを望んだのに、目から涙が溢れ出した。
どうしてだろう。どうして、どうして?
「先生。」
「なんですか。」
先生は少し呆れたように息を含んで言った。
「今まで私を治そうとしてくれてありがとうございました。
先生のこと、案外好きでしたよ。」
「そんな風に言われたら...。」
「いや、案外じゃないです。結構好きでした。
ほんと!病気じゃなかったらきっと今頃、先生を抱きしめていました。
…先生。私のことを、本とかに書いてくれません?
売れると思うんですよ。タイトルは、そうだな…。
『余命半年、私の心臓君に捧げてみた。』とかかな。
捏造とか満載で。私をもっともーっと魅力的に書いてよ。よろしくね、先生。」
「ああ、君のことをたくさん書くよ。たくさん、たくさん。」
君のことをみんなに知ってもらって、君の勇気を称えたいよ。
[彼女は言いました。
私はこの行為を悔やんでなんていない。
私はこの行為を誇りにも思っている、と。]
12/30 第二作品【余命半年、私の心臓君に捧げてみた.】訂正投稿済
元作品は削除しました。