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東方霊魂墓5
「さあ、どうするの?」
「霊佳っ」
本気で怒っているような霊佳さんに、こいしさんが言った。
「それなら、わたしとやろう?もう、みんなに迷惑をかけたくないよ。清霞だって、そう思ってるよっ」
「こいし___」
さとりさんの瞳に、希望の光がともった気がした。空さんは、まだ警戒しているみたい。
「___こいしが言うなら、やめる。友達を傷つけたくないからね」
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「で、貴方達が異変を解決してくれたのね?」
「うーん…」
ようやく落ち着く自分の身体になった。紫さんがスキマで、最初にいた森に届けてくれた。
「こいしが言ったから、かな。わたしたちはろくなことしてないや。幻夢がこいしを連れてきて、こいしの発言が大きかったかな」
「そうなの、幻夢が?幻夢も、やる時はやるのね。さ、元の世界に送ってってあげるわ」
「ありがとうございます」
さとりさんがくれたスイートポテト。確か由有さんがさつまいも好きだったから、持って帰ってお裾分けすることにした。
紫色の空間。改めて見ると、ちょっと不気味だ。
「じゃあね。何時でも来ていいのよ」
「分かりました。では」
そして、空間に吸い込まれた。
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「ふぁぁあ。眠いわねぇ」
泡影界に戻ってくる。由有さんがいた。ゾンビ化していない。
「良かった…」
「じゃあね、闇。わたしは戻るわ。こんなやかましい場所、いてられないから」
「分かりました。由有さーん」
「ん?ああ、闇ね…」
「幻想郷へ行ってきました。異変、解決しましたよ」
「異変?んなの起こってたっけ」
眠たそうな目をこすって、由有さんは表へ出てくれた。
「幻想郷…迷路らが行き来してるとこね」
「地霊殿に行って、スイートポテトをお裾分けしてもらいました」
「えっ、スイートポテト?おいしそうね。幽以んとこの主人もやるじゃない。食べていいのね」
「はい。どうぞ」
ぱくり、と食べて、「美味しいわね」と由有さんが言った。
「そうだわ、そろそろ幽以と遊んでこようかしらね。幽霊…いや、地縛霊だけど。幽霊同士、気が合うんじゃないの?」
「そうなんですね。遊んでもいいですか」
「断ったら株が下がるわ」
笑いながら、由有さんはまた、スイートポテトを食べた。