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コロシアイ修学旅行
モノクマ「さてと…颯爽と登場したところでまずは…」
モノクマ「ぬるい!ぬるすぎだよ!ぬるぬるだよ!」
モノクマ「えっ!?ぬるぬるなの!?」
ウサミ「やっぱりあんたでちたか…!」
ウサミ「でも、どうして……」
ウサミ「どうして、モノクマがここにっ!?」
司「モノクマ…?」
モノクマ「うっるさーい!!」
モノクマ「ボクは怒ってるんだよ…オマエラのぬるいムードに吐き気マックスなんだ」
モノクマ「何が『どっきどき修学旅行』だよ!」
モノクマ「退屈だよ!絶望的に退屈なんだって!」
モノクマ「お陰で、全然盛り上がってないじゃないか!茶番はいい加減にしろって!」
モノクマ「もっとこう…世間のニーズに答えろよ!」
モノクマ「平和で穏やかな高校生達の生活なんて、誰も望んじゃいないんだって」
モノクマ「みんなが見たいのは…」
モノクマ「他人の不幸、そして絶望だけなんだよ」
彰人「な…なんだよこいつ…言ってることがめちゃくちゃだ…」
奏「どうなってるの…?こっちのぬいぐるみはなんなの…?」
ウサミ「ミナサン危険でちゅ!ここは、あちしに任せて下がってくだちゃい!」
ウサミ「どうしてモノクマがいるのかわからないけど、このマジカルステッキさえあれば…」
モノクマ「やー!隙ありー!」
モノクマ「あちょー!あちょー!!」
ウサミ「や、やめてくだちゃーいっ!!」
バキッ…
モノクマ「じゃじゃーん!大・勝・利!」
ウサミ「ふわぁ!あちしのマジカルステッキが…!」
モノクマ「さてと、完全勝利のそのあとは…」
モノクマ「そもそも、オマエは地味なんだよな。真っ白なウサギなんて地味すぎるんだよな」
モノクマ「という訳でボク好みに変えてやるよ!アーッハッハッハ!!」
モノクマ「ボクに逆らうとどうなるか…噛み砕いて、噛みちぎって、噛み締めさせてやるっ!!」
ウサミ「いやだーー!やーめーてーー!」
モノクマ「こら!じっとしてろ!」
モノクマ「よーし!大完成!!」
ウサミ「…………な…」
ウサミ「なんでちゅかこれ!?」
ウサミ「あちしこんな妙ちくりんなの嫌でちゅ!元に戻してくだちゃーい!」
モノクマ「あらら…お兄ちゃんのセンスに口答えとは、モノミちゃんは不良なのかな?」
ウサミ「へ…?お兄ちゃん?モノミ?」
モノクマ「オマエの立ち位置って今あやふやだから、ボクの妹の《《モノミ》》って設定にしたの」
モノクマ「後付けの設定だけどね」
ウサミ「ど、どうしてあちしがあんたの妹なんでちゅか!」
モノクマ「じゃあ姉さん?オマエは、生き別れたボクの姉さんだったんだね?」
モノクマ「うーんなんかしっくりこないんだよなぁ…」
モノクマ「うん、オマエはやっぱり、ボクの妹だな」
モノクマ「そういう訳だから…モノミよ!金輪際、お兄ちゃんに逆らったら許さないからな!」
モノミ「はわわっ!?すっかり名前の表示もモノミに!?」
モノミ「ちょ、ちょっとー!勝手にそんな設定なんて許しませーん!」
モノクマ「うるさーい!!」
モノミ「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
モノミ「痛いでちゅ!殴られるとすごく痛いでちゅー!」
モノクマ「どうだー!思い知ったかー!!」
なんだ…これ……
動くぬいぐるみ同士の喧嘩とか…
もうめちゃくちゃじゃないか…っ!!
ウサミ「うう…せめてマジカルステッキさえあれば…」
志歩「ちょっと…この芝居はなんなの?」
彰人「し、知らねぇよ…」
冬弥「だが…まずいことになっているのは確かみたいだな」
穂波「きゃあ!?な、なにこれ…どうなってるの!?」
ウサミ「うう…ぐすん…」
雫「あら…?なんだか変な塗り方をされていない?」
モノクマ「変な塗り方って…ボクと同じなんですけど!地味に傷つくんですけど!」
瑞希「えぇ!?なんか増えてるし!」
絵名「どういうこと?…そっちの白黒のたぬきは…なんなのよ?」
モノクマ「たぬきじゃなくてクマなの!モノクマなの!」
愛莉「よくわからないけど…また新しいぬいぐるみが出てきたのよね?」
みのり「と、とゆーか!なんでそっちのぬいぐるみも喋ってるの!?」
モノクマ「だから、ぬいぐるみじゃなくてモノクマだってば!希望ヶ峰学園の学園長なの!」
類「モノクマ…?」
えむ「が、学園長…?」
モノクマ「兎にも角にも…これで全員揃ったようですね」
モノクマ「では早速、学園長としてオマエラに宣言します!」
モノクマ「今から『コロシアイ修学旅行』を始めまーす!」
コロシアイ……修学旅行?
モノクマ「仲良く暮らすことが目的の修学旅行なんて、刺激もないし退屈だしつまんなーい!」
モノクマ「そんなゲームなんて誰もやりたくないって!」
モノクマ「という訳で、『コロシアイ修学旅行』を始めましょう!」
モノクマ「もちろん、参加者はオマエラだよ!」
一歌「コ、コロシアイ…?」
モノミ「何言ってるんでちゅか!そんな血生臭い展開は断固として許しまちぇんよ!」
モノクマ「ばっかもーん!お兄ちゃんに敵うと思うなー!」
モノミ「痛い!蹴られるとすごく痛いでちゅー!」
モノクマ「全く…モノミって頭の悪い子だね。いくら言ったら分かるのかな」
モノミ「う、うう…」
モノクマ「さて、少し脱線しちゃったけど…コロシアイ修学旅行の説明に戻りましょうか」
まふゆ「ねぇ…そ、そのコロシアイって…どういう意味…?」
モノクマ「意味なんて聞くまでもないじゃん!もちろん殺し合いだよ」
杏「な、何言ってんの!?そんなことするわけないじゃん!」
モノクマ「だって…島を脱出する条件が《《みんな仲良く》》とかつまんないじゃん?」
モノクマ「だから、ルール変更!」
モノクマ「もし、この島から出たいなら、仲間の誰かを殺してくださーい!」
モノクマ「そして、学級裁判を生き延びてくださーい!!」
冬弥「…学級裁判?」
モノクマ「そう!学級裁判こそ、このコロシアイ修学旅行の醍醐味なのです!」
モノクマ「オマエラの間で殺人が起きた場合…」
モノクマ「生き残ったメンバー全員は、必ず学級裁判に参加してもらうことになります」
モノクマ「学級裁判の場では、殺人を犯した《《クロ》》と、それ以外の生徒《《シロ》》との対決が行われます」
モノクマ「学級裁判では、『身内に潜んだクロは誰か?』を、オマエラに議論してもらって…」
モノクマ「その後の投票で、オマエラが導き出した答えが正解だった場合は…」
モノクマ「殺人を犯したクロだけが《《おしおき》》となり、残った他のメンバーだけで修学旅行を続行します」
モノクマ「ただし、オマエラがもし間違った人物をクロだとしてしまった場合は…」
モノクマ「罪を逃れたクロだけが生き残り、残ったシロ全員がおしおきされてしまうのです!」
モノクマ「以上、これが学級裁判のルールなのです!」
モノクマ「つまり、誰かを殺して学級裁判を生き延びれれば、そいつだけは生きて島から出られるってわけ!」
モノクマ「ただし、学級裁判を逃げ延びれ無ければ、そいつだけがおしおきとなる…」
モノクマ「うぷぷ…もはやお馴染みのルールだから簡単でしょ?」
寧々「ね、ねぇ…さっきから連呼してるおしおきっていうのは…?」
モノクマ「あぁ、まあ簡単にいうと…」
モノクマ「処刑だね!」
咲希「しょ、処刑…!?」
モノクマ「学級裁判後の愉快なおしおきタイム!」
モノクマ「これも、コロシアイ修学旅行のお楽しみの1つだね」
モノクマ「うぷぷ…どんな鳥肌モノのおしおきが飛び出すのか、今から楽しみだなーっと」
モノクマ「なんちゃらクローで脳天串刺しとか、ユーモア満点なおしおきもあるかもしれないよね!」
モノクマ「えー、殺し方は問いません」
モノクマ「ポピュラーな刺殺撲殺絞殺毒殺から始まり…」
モノクマ「射殺殴殺轢殺焼殺爆殺斬殺溺殺感電殺墜落殺呪殺……」
モノクマ「どうぞ、お好きな殺し方を自由に選んでください」
モノクマ「ではでは始めましょう!コロシアイ修学旅行を!」
司「っ……!」
オレは思わず胸を押さえた
心臓の血管に太い針が入り込んだかのように、
胸の鼓動に合わせて鋭い痛みが走る
そんな…自分でもよくわからない症状に陥っていた
彰人「ふざけ…てんじゃねーぞ…」
愛莉「そ、そうよ!誰が人殺しなんて…!」
モノクマ「殺せとは言ってないよ?やるかやらないかはオマエラ次第だからね!」
穂波「し、信じない…私は信じないよ…っ」
遥「殺人が起きなかったら…どうなるの?…このまま私達は、この島から出られないってこと…?」
モノクマ「さぁ、どうでしょうね?」
モノクマ「とりあえず、これからは清く正しくコロシアイ修学旅行って方針で頼んますよ」
絵名「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!どうして私達が殺し合わなくちゃいけないの!?」
モノクマ「そんなの決まってるじゃん。オマエラには殺し合うべき理由があるんだよ」
司「は…?」
瑞希「…さっきから好き放題言ってくれるじゃん」
志歩「誰も殺し合いなんかしないよ」
えむ「力ずくでも止めるから!!」
モノクマ「あーそうですか…まぁこれもお約束ってやつですかね…」
モノクマ「そっちが力ずくなら、こっちも力ずくで返すしかないよね…」
ウサミ「な、なにするつもりでちゅか!?」
モノクマ「逆巻け…光と闇の狭間から生まれし神々よ…古の契約に従い…今こそ汝らを召喚する…」
モノクマ「いでよ!モノケモノー!!」
この島に来てから、オレは何度も驚くべき光景を目の当たりにしてきた
それでも…目の前で起きているこの現象は、群を抜いて異様だった
みのり「え……え…?」
雫「どうして…石像が動いたの…?」
モノクマ「石像じゃないよ!モノケモノだよ!」
杏「ば…化け物…!!!」
モノクマ「だから、モノケモノだってばー!」
こはね「い、嫌だよ…もう嫌だ…こんなのおかしいよ…!」
彰人「悪い夢でも…見てるのか…?」
ウサミ「ミ、ミナサン!下がってくだちゃい!ここはあちしがなんとかしまちゅ!」
ウサミ「この命に代えても…ミナサンを守ってみせまちゅ!」
モノクマ「うっぷ…」
モノクマ「あれ…なんだこれ…」
モノクマ「うっぷ…うっぷ…」
モノクマ「あっ、そうか!これって吐き気だね!ベタベタの正義感に吐き気を催しちゃったんだね!」
モノクマ「よーし、決めた!だったら見せしめはオマエだー!!」
司「み、見せしめ…っ?」
次の瞬間、
あのモノケモノ…から銃のようなものが出てきて…
思いっきり…モノミのことを蜂の巣にした
司「っ…!?」
かすった
血が出てきた。痛みもある
あの銃は本物だ
この悪夢のようなものも…現実だった
全て、受け止めなければいけない現実だった
絵名「…い……」
絵名「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
一歌「な、なに…それ…!!?」
えむ「ひぇ……っ…序盤なのにモノミちゃんが死んじゃったよ…!」
モノクマ「恐るべき脅威の殺人兵器!それがモノケモノなのだ!」
モノクマ「うぷぷ…これだよこれこれ…」
モノクマ「やっぱ見せしめはこうでなくっちゃ!」
モノクマ「アーッハッハッハッハ!!!」
興奮した高笑いを響かせるモノクマとは対照的に、オレ達はすっかり固まっていた
呼吸をすることさえ忘れたように固まったまま…
唖然と立ち尽くしていた
オレ達は無力だった。大量の水に溺れて流される蟻と同じだ
モノクマ「あのね、オマエラはボクに逆らえないんだよ?」
モノクマ「無惨な海の藻屑になりたくなかったら、ボクには決して逆らわないことだね!」
モノクマ「言っとくけど、ボクには慈悲も同情も憐れみもないよ」
モノクマ「だって、ボクはクマだからね」
モノクマ「南の島でテンションあがっちゃった…なんて言い訳は、一切通用しないんだからね!」
モノクマ「それと、コロシアイ修学旅行を始めるにあたって、電子生徒手帳もアップデートしといたから」
モノクマ「そこにコロシアイ修学旅行のルールが載ってるので、後ほどじっくりと目を通しておいてください」
モノクマ「ルールを知らなかったなんて言い訳が通用しないのは、どこの世界でもどこの社会でも一緒だよ」
モノクマ「ではでは…」
モノクマ「開放的で過酷で凄惨な南国の島での修学旅行を、どうぞお楽しみあれー!」
そんな言葉を残して、
モノクマは、モノケモノと共に姿を消していった
正直言ってオレは
酷く疲れてしまった。
何もかもが理不尽の連続で、
もう、これがエピローグでも構わなかった
類「ど…どうなってるんだい…?」
絵名「え、えっと…私はあんなの信じないから…っ」
彰人「人間とか動物ならまだしも…」
彰人「あんなでけぇ化け物相手に…どうしろっていうんだよ…!」
咲希「あ、ありえないって…どうしてこんなありえないことが起きるの…?」
奏「……モノクマとモノケモノは機械…」
奏「機械である以上、誰かがそれを作って、操作してるってこと…だよね」
志歩「その《《誰か》》の仕業…?私達がこんなことに巻き込まれたのも…」
愛莉「だ、誰なの!?それは誰なのよっ!?」
遥「…今の私達が警戒するべきなのは、あのよくわからない機械でも、それを操る誰かでもない…」
遥「それよりも警戒するべきなのは…ここにいる私達自身の方だよ」
遥「ほとんどが見ず知らずの人達で、急にこんな場所に連れてこられて…殺し合いをしろって言われて…」
遥「そうやって植え付けられた絶望的な恐怖心から逃れたいという気持ちこそ…」
遥「私達の…最大の敵なんだよ」
オレ達は、自然に互いの顔を見合わせていた
その顔つきを見れば一目瞭然…
その場の誰もが、今の言葉を認めてしまっていた
自分にも《《その可能性》》がある……それを認めてしまった
『仲間を殺した生徒だけがこの島から脱出できる』…
つまりこの絶望的な状況から逃げ出すためには…他人を犠牲にしなければならない…
オレは…本当にそんなことしないって言い切れるのか?
いや…言い切れないはずだ…
この悪夢のような状況の中では…そんな自信出てこない…
その日はオレにとって、単なる365分の1日なんかじゃなく、
もっと特別な意味を持つ1日だった
特別で……《《絶望的》》な意味を持つ1日だった
それが始まり…
この南の島を舞台とした、『コロシアイ修学旅行』の始まりだったんだ
--- PROLOGUE ---
--- だんがん☆アイランドへようこそっ! ---
--- どきどき修学旅行で大パニック? ---
--- END ---
--- 生き残りメンバー20人 ---