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#1 歴史研究
約150年前のあの日から、すべてが変わったという。
わたし・ハルテは、実に興味深い資料を見つけた。
はるか昔、我が星メカトピアは、どれいロボット等が使われていた。だがしだいに、ロボットは皆平等だという考えが広まり、ついにどれい制度が廃止されたという。新たな仕事人として、人間を支配するため、地球を侵略しようと鉄人兵団が攻めたらしい。
本来なら、圧倒的な数と力に負け、地球は負けただろう。しかし、今現在でも地球は存在し、生き生きと地球人が生きている。
その原因は、とある小学生4人と同じロボット1体。そのロボットはタイムワープが可能であり、小学生が歴史を改変させたという。
メカトピアでも、タイムワープは可能だ。しかしその技術は約20年前に開発されたものであり、当時は実現不可能と言われていたのだ。ただ、他の資料によるとそのロボットは未来___100年あと、つまり1世紀あとから来たと言われている。
歴史を改変し、わたしたちは「心」という技術が組み込まれた。その技術により、争いなどの考えはなくなり、今は平和な世の中になっている。
わたしの父親ロボットであるコーダは、歴史研究学者である。メカトピア、ロボットの歴史を調査、研究し、究極のロボットを生み出すことが目的であるという。
そんなコーダ父さんに憧れ、わたしは歴史研究学者への道として、ひとまず父さんの書斎で調べ物をしいている。
「ハルテ、今は何を調べているんだ」
「ロボットの歴史。特に、メカトピアと地球の関係よ。すごいわよね、1000年前にタイムワープが可能なんて。歴史改変をしたんでしょ?なぜその文献が残っているのかしら」
「さあ。でも、地球の、その子供たちが書いたのかもしれないね」
ああ、とわたしは言った。なるほど、それなら辻褄が合う。
「なるほど。ねえ、地球へ行ってみたいんだけど」
「地球…?」
「そう。この歴史研究として」
「__わかった」
今や、宇宙旅行はメカトピアの一大ブームを過ぎ去った、古いものだ。今ならすいているし、料金もやすいだろう。何より、ワープも可能なのだ。きっかり、あの時から三万五百年後の世界を見ることができるのだ。
「宇宙旅行、銀河系地球まで。滞在期間は1ヶ月、1ヶ月後に着地したところに迎えください」
そう連絡した。