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死歿の歌 六話
すみません今回短いです。
らるらりら らるらりら
誰かが私を呼んでいる
るらりらら るらりらら
誰かが私を呼んでいる
らりららる らりららる
誰かが私を呼んでいる
りららるら りららるら
誰かが私を呼んでいる
ああ閻魔様が呼んでいるのか?
歌を歌いながら 僕は閻魔様を待つ
ああでも僕はあの人に あの人に
呼んでほしいんだ
ららるらり ららるらり
誰かが私を呼んでいる……
人間は誰もが愛を求めている。
愛は人間を嫌っているかもしれない。
人間から愛は、僕らにとって、救済者だと思っているだろう。
六話『抗えない』
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一人の人生のエンドロールが流れた。この人の人生は終わってしまったのだろうか。その一人の関係者や家族、親戚などの名前が載る。…これは夢なのか?
一体、誰のを見ているのだろうか。
竹崎 泉…
エンドロールを見ていて、はっきりと見えた名前は『竹崎 泉』だった。
自分が見て、好きな名前でもなく、嫌いな名前でもない。
ただ一つ、事実がある。竹崎 泉は、僕の父親ということ。君も最初に見てたでしょ、僕はあまり父親は好きではないよ。聞きたくもない名前だ。だって、母親と愛し合っている人間の一人なのだから。
でも、今は一人で聞いていたいんだ、この名前が。
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愛が心というものを生み出し、ついに|人閒《にんげん》を従わすことができるようになりました。
人閒は愛を深く愛しています。なので、従わされられるのも、きっと嬉しいことでしょう。
愛は、全ての人閒の心を侵略します。そのため、愛に逆らえるものは、誰もいない。
明日はきっと、愛があなたを選んでくれます。それでは、今日にさよならを。明日にあいさつを。
【誰かが、僕を呼んでいる。】
《誰かが、私を呼んでいる。》
【ああ神様が呼んでいるのか?】
《ああ閻魔様が呼んでいるのか?》
【僕はきっと、天国行き。】
《私はきっと、地獄行き》
【僕はいいことをしたのだから。】《私はわるいことをしたのだから。》
この声が聞こえたあなたはラッキーかもしれない。
そう思って、僕はそこらへんの草をむしる。
僕はいいことをした。それは確かなことだ。だって、この前の|女性《にょしょう》の邏卒のことだって、なりたいって言ってた夢を叶えてあげるために、一歩近づかせてあげた。これっていいことでしょ?
だから、死んでも僕は天国行き、きっと閻魔様は僕の行き先を天国と選んでくれるよ。だって、閻魔様だから。
窓の隙間から、冷たい風が吹いてくる。凍えるほど寒くはないが、冬なのかと実感させられる寒い風だった。
明日、天気予報によると、雨が降るらしい。
人閒=人間