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メインディッシュは私がなるの
夜だ。
Bossが来る。
足音が響く。
オーラが届く。
ドアが開く。
来た。
あっ。取られちゃった。
また。
これまでずっと苦楽を共にしてきたあの子。
まだ名前も知らないのに、
今の彼女は目から水を流し、赤く私に手を振っている。
あの子がいなければ,,,私は,,,。
皆思ってる。
私なんか顔に出ていたかもしれない。
Bossは微笑み、あの子を誘う。
あの子を連れて行く。
あの子はついて行く。
これから何処へ行くのだろう。
レストランは閉会した。
もう誰も出入りできない。
今日のメインディッシュは終わったのだ。
世の調理人は言う。
「運が悪かった」って。
その場の全員がへたり込む。
もう限界が近い人もいる。
目が雑魚になっている人も、
目がBossになっている人もいる。怖い。
怖い。夜が怖い。
むさ苦しい。狭い。世界が狭い。
こんなところでは生きていられない。
次はメインディッシュにならないと。
思いっきりアピールするんだ。
Bossのメインディッシュにならないと、私達は外へ出れない。
あの扉の奥には何があるのだろう。
入ってはいけない。
前菜にもなれなかった私達がレッドカーペットに色を塗ってはならない。
夜空は明るい。
この淀んだ泥がもう少しすれば太陽に照らされるなんて、信じられない。
Bossがここから去るのなら、私はこのまま死んでいい。
ボロ雑巾の玩具はネット通販にすら顔を出さない。
翌日
ついにこの時が来た。
夜だ。
Bossが来る。
足音が響く。
オーラが届く。
ドアが開いて、
私達が一斉に飛び付く。
やっぱり考えることは一緒だ。
そこら中玩具で溢れる。
色んな色が混じり合う。
今立つキャンパスがびくともしないのはなぜだろう。
ちらりと見えたBossの目が、
死んでいた。
周りを見る。
黒と茶色が多い。
何か臭い。
雑音が聞こえる。
いつもの皆じゃない。
ボロ雑巾が散らばる。
悲鳴が聞こえる。
あちこちに怒鳴り声が響く。
破壊の音が鳴り響く。
こんなの玩具じゃない。
目がチカチカする。
何かが、おかしい。
気づけば一人になっていた。
Bossは微笑み、私を誘う。
私を連れて行く。
私はついて行く。
これから何処へ行くのだろう。
レストランは閉会した。
もう誰も出入りしないだろう。
今日のメインディッシュは私だ。
Bossは尚歩く。
後ろを振り返らず。
さっきの騒ぎが嘘のように。
,,,,。
しまった。
Bossの呟きを聞き逃した。
気づけば大きなドアの前に来ていた。
この奥に調理人がいるのだろうか。
Bossがドアを開ける。
そこに、あったのは
---------
夜が、怖い。
むさ苦しい。狭い。世界が狭い。
もう手すら伸ばせない。
こんなところじゃ生きていけない。
生きて行けない。
,,,,,生きて,,,。
大丈夫。
腕はもうないけど。
私達には思いがある。覚悟がある。
何処までも遠く、何処までも広い。
目眩がしてきた。
体が震える。
Bossが来る。
あの子の頬にキスをする。
反応が,,,,ない,,,,。
,,,,,,,,
まだ恋もしていない。
Bossが微笑む。
怖い。夜だ。
降参ですね?
嫌だ。
口から出ようとするが、らしくない。
いっそ私が食べてやろうか。
降参なんかするか。最後まで抗ってやる。
メインディッシュも、パーティーも、オモチャ遊びも、お絵かきも。
全部ここで壊して終わらせてやるんだ,,,,,,,,,,,,。
レストランは閉まったよ? どうするの?
,,,,,,,,(死ね),,,,,
??
メインディッシュは私がなるの。
急ですが完結致します。
続編は普通にやるのでご安心を∶)