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🌤️くんと☔くん ⑦
`8.宇宙一の兄弟 Sideみつみ`
『あ、目が覚めた!』
『看護師さん呼んでくるね〜』
私としなちゃんはハレくんが起きたことを看護師さんに伝えるために部屋を出た。
『いやぁそれにしてもあのときは焦った〜』
『急にハレくんが倒れたもんね』
そう、ハレくんはここ3日ほど目覚めなかった。すぐに救急車を呼んで病院で診てもらった。アメくんも呼んだけど、あの焦りっぷりはすごかった。
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『え、兄ちゃんが倒れた⁉』
『お、落ち着いて、アメくん。』
『う、うん。』
少しづつ落ち着いてきたアメくんに私は質問をした。なんで自分よりもハレくんのことを優先したの、と。実は私が呼んだ時、アメくんはXになる直前―つまり昇格戦の最中だった。無効試合になってしまうのに。どうしてハレくんのことを優先したのか、少し前から気になっていた。アメくんは重い口を開いてすべてを教えてくれた。
『実はね、俺達の親、俺が中3のときに死んだんだ。それまでは親が渋々学費を出してたんだけど、その親もいなくなって俺達はそれが出せなくなったんだ。そしたら兄ちゃんが、「僕が学校を中退するからアメは学校に行って」って言ってくれて...―』
私は泣きそうになった。でも、一番泣きたかったのは話した張本人、アメくんだ。アメくんは笑顔だった。偽りのない、花が咲いたようにきれいな笑顔だった。
『聞いてくれてありがとう。心が楽になったよ。』
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『でも大変だよね...親から嫌われるしメンバーからも嫌われるしで。』
『でも大丈夫じゃない?だってハレくんにはアメくんがいるでしょ。』
『まあそうだね。あの二人なら大丈夫でしょ。』
そう、看護師さんを呼ぶ、ということは半分嘘で半分本当。私達は二人で話してほしいと思って病室から出たのだ。
『アメくーんハレくーん起きてー』
病室に戻ると、二人は寝ていた。相当疲れが溜まっていたのかアメくんは一向に起きる気配がない。
ハレくんがゆっくり目を開けた。こちらの存在に気づいたみたい。
『アメは不眠症なんだ…だからそっとしてあげて。』
衝撃の事実。アメくんまさかの不眠症。
『失礼します。』
あ、看護師さんだ。
『明日には退院できるでしょう。手続きをしておきますね。』
『ありがとうございます。』
『それでは。』
ふふっ、ハレくんとっても幸せそう...。ねぇカンロさん、今あなたはどこにいるのかな。
こんらえる!作者のTukiraeです!
今回はみつみちゃん視点でしたがどうでしたか?
最後に出てきたカンロさんとは誰だと思う方、いらっしゃるでしょう。はい。みつみちゃんの想い人です。いつか出せたらいいなと思っておりますが、出てくるとしたらバンカラになってから…(今スクエア)
今回も見てくれてありがとうございました~!
次回は最終回です!