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しのぶの部屋で
「何を召し上がりますか?お二人とも」
「んー、私は〜、、お団子があるみたいだから、それにするわね!」
「私は、桃色の水飴にする!」
「そうですか、では、私はかすていらを頂きましょうか」
「あー、かすていら、ポルトガルのお菓子だったかな?美味しいよねぇ!」
と、他愛もない話をしていると、
アオイ「しのぶ様。不死川玄弥様が、腹痛薬をご所望されておりますが、どうされますか」
突然アオイが訪ねてきた。
「っ!」
不死川玄弥くんは、私の大事なお友達だ。
この前会ったキリで、ずっと会っていなかったのだ。
「うーん、どのくらいの痛み?物凄い痛みなら、この実矢薬で、少しなら笛留民薬にしますが…」
アオイ「少し痛いぐらいだそうです」
「わかったわ、それならこの笛留民薬を処方しないとだけど…このお二人のこともあるし……」
「あ、それなら私が持っていきましょうか?私、玄弥くんに久しぶりに会いたくて…」
「それなら丁度いいわ。不死川くんは204号室にいるから、空片さん、それではお願いしますね」
しのぶが天使のような笑顔と、優しい言葉を向けてくる。
冨岡さんは、だからこの人に惚れたのか…
「それじゃ、行ってきます!」
「あ、玲華ちゃん、気を付けてね!」
「いってらっしゃい!」
「いってらっしゃいませ」
と、三つの温かな言葉に見送られ、私は気づけば部屋を飛び出していた。
えーっと、しのぶちゃんが言っていた204号室は…ここだっ!
こんこんこん…
「失礼します。不死川玄弥くんはいますか?」
「あ…」
その瞬間、さっきの霞柱の人と目が合った。
「あ、無一郎くん!ここにいたんだね!」
「お、玲華。また会えて、嬉しいな」
んもう!!また顔紅くなってしまう……
「玄弥なら、僕の隣のベッドにいるよ」
隣のベッドには、頭から布団を被り、下半身が出ている玄弥がいた。
(これぞ、正に『頭隠して尻隠さず』だな……)
「玄弥くん、お腹痛いんでしょ?お薬届けに来たよ」
「おお!久しぶりだな、玲華さん」
「はい。これ、食前で一日3回飲んでね。」
「さんきゅーな。あと、それでさ、最近どう?元気でやってる?」
玄弥くんは、会ったときにいつも私を気にかけてくれる、心優しい子だ。
「えっとね、この前結核になっちゃった…と思ったら、ただの流行り風邪でね……それでね……」
「(小声)ねえ。玄弥。君、もしかして玲華の事狙ってる??」
「(小声)ええっ?!そ、それは時透さんじゃないんすか?」
「……それでさ、近所の子猫がほんとに可愛くってさー、、って、どうしたの?」
「! いや、何でもねえよ。だよな??(圧)」
「! そうだよ。心配しないで」
「そうかな…?まあいいや、それじゃあ私もう行くね!またね!」
「またな」
「じゃあね」
……
あの時の2人、一体何を喋ってたんだろう…喧嘩だったらやだなあ……
「あ、空片さん、そろそろお時間なので、もう解散にしてもよろしいでしょうか」
「あら?!もうそんな経ってたの?!そうね、解散しましょう!」
「もっとお団子食べたかったのに……」
と、蜜璃が残念そうに言う。
まったく、食いしん坊なんだから…笑
しばらく経ち、柱合会議が始まる10分前に産屋敷邸についた。
「ああーっ!玲華ちゃん、ざっと2時間ぶりねっ!」
「そうだね!蜜璃ちゃん」
「ん?」
蜜璃ちゃんが伊黒さんの所へ行ったその時、誰かに頬を触られた。
「玲華、やっほー」
「え?!無一郎くん?!蝶屋敷で静養してるんじゃなかったの?!」
「ああ、あれはね……」
なんと、無一郎は怪我をして入院していたのではなく、軽くめまいがしてベッドにいたのだという。
「そうだったんだ…それなら良かった!」
「ふふ、ねえ、これいる?」
其のとき無一郎が手にしていたのは、綺麗なガラス細工だった。
紫や桃色、赤紫青紫と、私が好きな色ばかりの色が乗っていて、日光に反射し地面に虹を散らしていた。
「ええっっっ!いいの、こんなのもらっちゃって……」
「別にいいんだよ。君の為に造ったんだし」
無一郎は、私とお友達になれた証として、この硝子細工を苦労して造ってくれたのだという。
「うん、気持ちが心から伝わった。ありがとう、無一郎くん!」
「えへへ、喜んでもらえて幸せだな」
この子は、滅多に見せない笑顔を私にだけ見せてくれる人だった。
「ありがとう、大切にするね!」
ちょうどその時、会議が始まろうとしていた。
「「お館様の御成です」」
と、お館様のお二人の御子息と御嬢様がおっしゃった。
「今日は小鳥の鳴くいい天気のようだね。空は蒼いのかな?」
………
「では、警備配置を決めようか。まず、玲華と無一郎は、新宿辺りで……」
そう言われたとき、私は舞い上がりそうになった。
だって、気になる人と一緒に警備だよ⁈ドキがムネムネ止まらないんだけど?!
……
「それでは、解散しようか」
お館様の一声で、会議は解散となった。
今日の夜、無一郎くんとまた会えるのかと思うと、胸が高鳴って、普通じゃいられなくなる。
なんだろう、この感覚。。はじめてなんだけど……?!
楽しみだなあー、今日の夜。
どんなことが起こるんだろう……。
また見てね!
無一郎くん推しの人、めっちゃ多いよね!
まあ、私もそのうちの1人だけど笑笑