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お揃いの魔除け。
関係が二転三転してますが、これは現在の双黒。
少し大人な甘い時間、どうそご堪能くださいませ。
中也side.
今日は珍しく、太宰から遅くなると連絡があった。
俺のほうが先に帰ったし、今日は彼奴の好きな物作ってやろうかな?
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散々考えた結果の蟹グラタンが完成する頃、彼奴が帰ってきた。
「ただいま、中也。」
「お、来た。お帰り、丁度飯できたぞ〜」
「ナイスタイミング!今日はなあに?」
「蟹グラタン。」
「やった、中也のグラタンだ!」
「そんなにグラタン好きだったか?」
「中也のグラタンはあったまるからね〜」
「へぇ…それなら手洗ってこい、すぐ食うぞ!」
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「ねえ、中也。渡すものがある。」
グラタンを食べ終え、彼奴は言った。
「何だ?」
脱いでいなかった外套から取り出したのは、小さな箱だった。
「中也、これ、着けてくれない?」
「!それって…」
「指輪。ペアリングだよ。」
「それってつまり…」
「うん。中也。一生を私と添い遂げてくれる?」
「っ!いいのか…?」
「じゃなかったら言ってないよ。」
「、よろしく、お願いします…」
「!ふふ、中也、顔上げて。」
「んっ…」
今までで、一番甘いキスだった。
「やっぱ、可愛い。可愛いよ、中也。」
「…それ、着けてくれないのかよ。」
「じゃあ、左手。」
細い綺麗な指が、そっと指輪を着けてくれた。
「次は中也、着けて。」
「ああ、勿論…」
綺麗な手をそっと取り、薬指に指輪を通す。
「これで、お揃いだね。」
「だな。」
俺の手を取り、愛おしそうに指輪を眺める眼差しは、どんな宝石より美しかった。