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#5 この戦いに賭ける
スパァァァン
「バッターアウトー!!」
🦖「…っ!!」
黒神高校のエースは150キロ近い速球を投げ込み、
打席に立つ部員たちは次々と三振を喫した
🎸「うわっ…やっぱ速え!」
⚡️「くそ…全然バットに当たらねぇ!」
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🦖「ふっ!!」
カキーンッッ
🐸「まじかよ…っ」
守備でも強烈な打球が飛び続けたが、
全員で連携してアウトを取る
モブ「ど、どうしましょう…!ほとんど互角ですよ…このままじゃいずれ…っ」
🐸「落ち着け!!ここで崩れたら終わりだ…!」
試合は0対0のまま、5回を過ぎた
🌷「皆んな集中して!!まだ点は取られてないです!!」
エースが次々と変化球を投げてくる最中、
もふくんの顔色が変わった
👓「あいつの配球、パターンがあるぞ!狙い球を絞れ!!」
そう叫ばれ、ハッとする
そういえばさっき、エースがスライダーを投げた時…
あいつ、イマイチな顔してたような…
🦖「…スライダーだ。スライダーを狙おう!!」
全員にそう言い聞かせて、ベンチから出る
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🌷(スライダー…スライダー…)
スパァァン
「ストライクっ!!!」
「…っ、ふっっ!!!」
🌷(あっ、)
パァァァン
「ボール!!!」
やっぱり、よく見ればスライダーが曲がりきれてない
球速もいまいち…
🌷(これだ!!!)
深呼吸をしてバットを握り直し、
ボールを睨む
「…ふっ!!」
来た!!!
カキーンッッッ!!!
強い打撃音と共に、ボールが空を舞う
🦊「先輩ナイスですっ!!」
僕はツーベースヒットを打ち、どぬちゃんをホームへ帰すことに成功した
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だが、その後
カキーンッッッ!!!
🦖「マジかよ…っ!?」
磨きを入れたスライダーを打たれ、2ランホームランを取られた
9回ウラ、1対2
絶体絶命のピンチに
俺達は立ち向かう
⚡️「はっ!!」
たっつんがヒットを打ち、一塁まで行くと
👓「…っ!!」
もふくんの強い打球で相手側の送球にミスが起こり、
一塁二塁
けれど、
「ストライクッッ!!!」
モブ「そんな…」
「アウトォォ!!」
モブ「フライ取られたっ!!」
一年生達がアウトを取られツーアウトのピンチ
そして次に立つのは俺
🦖「ふぅぅ…」
俺はキャプテンなんだ
みんなに甲子園の景色を、
…のあの夢を、叶えなくちゃいけない
皆んなの思いを、
無駄にできない!!!
相手の投げたスライダーを捉え、
カキーンッッッ!!!!
力強くバットを振った
風の力もあり打球はどんどん伸びていき、スタンドへと入った
3ランホームランだった
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試合が終了した
どよめく教室内にポツンと座っている私
🍪「どうだったんだろ…」
本当は試合を見に行きたかった
けれど最近体調が優れず、朝も少し気分が悪かった
だから試合は見に行かなかったんだけど、
🍪「すぐ治るんだったら見に行けば良かったな…」
そう心で思った
ガラガラッ
勢いよく教室の扉が開いた
先生「皆んな聞け!!」
先生「虹桃学園が…県大会優勝を果たした!!!」
クラスが歓喜に包まれる
「あいつらやったんじゃねえか!!」
「すげえ!!!すげえよ!!!」
💻「良かったね、のあちゃん」
未玖くんが優しい微笑みを私に向けた
🍪「うん…っ」
🍪「みんな…本当に強くなったね…」
私はそう口に出した
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黒神高校を倒した俺達は無敵だった
どんなピンチが訪れても乗り越えて、優勝を果たした
試合後、円陣の中で全員が涙を流しながら肩を抱き合う
🦖「俺たち、やったな…!」
⚡️「皆んな絶対喜ぶで!!」
🐸「とくにのあさんはな!!」
空を見上げると、
青空の下でひときわまぶしい光が差し込んでいた
笑い声と泣き声がスタジアムに響き渡った
けれど、まだ誰も知らない
この勝利の先に、思いもよらぬすれ違いが待っていることを
おつなこ!!!