公開中
暁前の微光【5話】
嘘のような実話。
実話のような嘘。
この話は嘘か、本当か。
カラ、LOUIS、寺、周…4人の少年少女達が織り成す怒涛の家出劇。
強くなれ。
強い者だけに、道は開かれる__________
一時間後…
カラ・周「__________え」
「えぇえええええええぇぇえ!!!???」
夕暮れ時。時刻は4時過ぎほどだろうか。
南の路地から来たカラと北の繁華街裏道から抜けてきた周は、お互い猫を追いかけると共に、見事一番最初____てんてんと家が建つ田舎町に戻ってきていたのだった。
カラ「な…なんでここにおんねん」
周「こっちのセリフや!」
そしてあろうことか、暁小学校の校庭の前で鉢合わせた。
カラ「俺は…黒猫がおったから、それを追ってここまできてん。そしたら周がおったんやんかぁ…」
周「__黒猫てw今時そんな見いひんやろ、マボロシちゃう?魔女宅のジジか」
周がカラをおちょくるように言う。
カラ「はぁ!?なに言うとんねん、せやったら周はなんでここにおんの。」
周「そら、白猫追ってきてん。この時代に白猫やで?珍しいやろ」
カラ(ようそんなんで俺の事バカにできたな…)
ふふん、と鼻を鳴らすかのように胸をのけ反らせ周が答える。
それを他所に、カラは周の理由に飽きれの色を見せていた。
すると____
寺「はぁっ、…はぁっ…あーーーっもう、二人ともどこいってん…」
という息の切れる呼吸音が聞こえてくる。
カラ「寺ちゃう?」
周「せやな。けどこっち気づいてへんと思うわ」
寺「あぁ…ほんっまっもう、何回、はぁっ…迷子になったら…気がすむねんッ」
カラ「てーーーーーらーーーーー!!!!」
周「こっちやでーーーーー!!!!」
そう二人は声をかける。と同時にこちらを振り向き3秒ほど停止する寺。
大丈夫やろか?息しとるかな?二人は話し始める。
寺「_____________おった……」
疲れと安堵の余りその場に座り込む寺。
カラ「すまんすまん」
寺「絶対思ってへんやろ…」
周「バレた?」
寺「あほかっ!二人とも…ほんまに、、あほや…」
二人「……心配した?」
寺「はぁ〜当たり前やろ…」
二人「ふふ」
3人がこう会話するのは2時間ぶりほどなのに、何故か一周間ぶりのような、懐かしい気がした。
寺「___さ、帰ろか。」
周「おん!」
カラ「折角やし、俺んちまで来て《《〇〇》》に会ってったら?」
寺「ええの?」
カラ「ええよ!」
周「ほんならはよいこ!!!」
3人の子供たちの健気な声がこの街に戻ってきた。
カラの家へ帰る途中、魚屋さんからアジをもらった。しかし、その後はしゃいだ周が水路に落ち、アジは逃走。というエピソードがあったのはまた別の話。
---
カラの家
カラ「ただいま〜!!」
カラがそう元気に帰宅すると、ぱたぱたと人が小走りで向かってくる音が聞こえてきた。
キィ…と扉が音をたて、その人物が顔を覗かせる。
母「おかえり。今日は遅かったやない、どないしたん?あら?寺ちゃん達もおるん。」二人「こんにちは!」
母「おん、こんにちは。ちょっと上がって待っといてや。お茶入れてくるわ。あ、お菓子はなんでもええ?今、ちょっと不足してんねん。」
カラ「お母ちゃん、そないいっぺんに喋られてもわからへんわ…」
カラの母は昔からよく喋る人だ。その点、カラとは似ている。
母「すまんすまん、ささ、外寒いやろ。上がって。」
二人「お邪魔しま〜す」
母がお茶お茶…、と呟きながら台所の方へ向かう。
カラ達はそれを横目で見ながら上の階へとあがっていく。
ふと、カラがなにを思い立ったのか。母へと声をかけた。
カラ「お母ちゃん〜?《《〇〇》》まだ寝とる?」
母「あぁ……《《LOUIS》》?もう起きとるんとちゃうかな。様子見たって〜」
カラ「はぁーい」
やっとLOUISがでてきましたね。
彼は少年時代どのような子だったのか。また、少年少女達が繰り広げる家出劇はいつ始まるのか。
まだまだ謎ばかりです。
第6話、乞うご期待!