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空に浮いたら。(改稿版)#1
改稿最初の挨拶なので、しっかりと真面目にお伝え、執筆させていただきます。
改めまして皆さん、こんにちわ。あるいは、このサイトにはこんばんわの人が多いかもしれませんね。
そしてこの度、空に浮いたら。を改稿しました。
少し矛盾してしまう部分が多々ありましたので、展開や状況などが変わっているところがあります。
ご理解いただけると幸いでございます。
大体1話から展開が大きく変わるまで(改稿前なら20話くらい)を第1章とさせていただきます。
改稿前とは少し違い、時々番外編をはさみまして、改稿前は30話後半で終わってしまったこの物語を、完結へと導けることを心から願っております。
空に飛ばそう、空に浮きたい、などなどの他の登場人物視点からしか得られない情報等を、番外編などで明かしていけたらなと考えている最中です。
では、しつこくなりますが、改めて、空に浮いたら。第1章の世界を、どうぞごゆっくり。お過ごしくださいませ。
罪人、狂信者、凡人、愛を求め続けたもの、愛したもの。
全てみな、同じ空を見ている............
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これはごく普通の物語。時空が歪んでいなかったら、普通だった物語。
「蓮ーー!!」
少年は叫ぶ。公園から、少し目を離していたらいなくなった弟を探すために。
七時を回った夜。冬の終わり頃だがまだ日が暮れるのは早く、周りは暗闇に染まろうとしていた。
「はぁ....はぁっ.....」
走りながら叫び続けて早40分以上。高校生男子とはいえこのパニックに近い状態でそれをこれ以上続けるのは困難であった。
(蓮...どこ...?)
心のなかでも弟の名前を読んでいる少年は、よほど弟思いの優しい兄なのだと読み取れた。
「あははっ!」
と、そのときに向かいの公園から無邪気否笑い声が聞こえてきた。
(蓮っ!?)
その無邪気な声は、蓮の声にそっくりだった。
今にも溢れ出しそうな恐怖による涙を必死に堪えながら、公園の方へと歩いていった。
「あはは!おも、しろい!もっとやって!もっともっと〜!」
案の定、その正体の声は蓮だった。ベンチの間で手を胸の前に置き、ぐっと締め、何かをワクワクと見つめていた。
「蓮!何、してるんだ!」
ベンチに何があるのかも気にかけることができないまま、少年は蓮の元へと走り寄った。
「れおにーちゃん!この人ね、れんとあそんでてくれたの!」
蓮の視線の先にあったのは、ベンチに座った少女だった。
《《少女》》と言っても、少年と同じくらいの高校生...だろう。
少女は珍しそうに少年に視線を向け、にっこりと笑って口を開いた。
「こんばんわ。この子、蓮くんっていうのね。もう遅いのに一人で歩いていたから。気になっちゃって。話しかけてみたらいい子だったからうっかり長く話しちゃったのよね」
淡々と言葉を発する少女に、少年は唖然としていた。
それに気づいた少女は空気を変えるように、
「あ、ごめんなさい。まずは自己紹介かしらね。私、彩花 日和といいます」
と、またニッコリと笑って言った。
「あ、すみません。日和さん...ですか。俺は唐沢 麗王といいます。弟が迷惑を...いいえ、僕のせいで...すみません」
少年改め麗王は、そう言って深く頭を下げた。
「...そんなことないですよ、じゃあ遅いので私は失礼しますね。兄弟水入らずの場を邪魔するわけにも行きませんし」
「え、あ...」
麗王が待ってくださいと言う前に、日和はその場から消えていた。
それを少し残念がり、罪悪感を抱いたものの、それより先にこっちがさきだ。
「ねえ蓮。どうして勝手にいなくなったの?」
ニコリと笑ったその顔には、怒りという感情が浮かんでいる。
「え...っと...」
蓮はいつもの幼稚な返しをしなかった。
楽しかったから!とか目を話した麗王にーちゃんも悪い〜〜とか言ってくるはずなのだ。
なのに今回は、なぜか年の近い弟を前にしているような感覚だった。
少し間が空いてから、
「た、楽しそうだったから!」
と蓮は口にした。
まるで心を読まれたのだろうかと言わんばかりに麗王は驚き、目を丸くした。
(.......まあ、いっか)
こういうところが甘いと言われるのだろう。
なんでもどうでもいいきなり、蓮を抱き上げて家へと戻った。
あの少女....彩花日和が名乗ったときに、ささやかな風が吹いた気がした。
そう思っているのは麗王だけだろうか。
そもそも麗王もそう思っているのか。
これは表情や態度からの考察であって、事実ではない。
真実は、本人にしかわからなかった。
それこそ、人間の本質であり、これこそ事実。認めたくないが他人とはわかりあえない。
それでもともに支え合い、前へ進む。それが人間。
そう、『人間』なのだ。
これもまた、決めつけではない、揺るがない事実なのである....
うん。意味分かんないね。
まあ一応終わりの挨拶ということで。しっかりしますか〜
今回、本作品を見てくださった皆様方、心から感謝申し上げます。
この作品をかきあげて、わたくしは次のことに気づきました。
おそらくわたくしは現代ドラマなどの現代の人間関係や現代のことについて触れたもののほうが得意だと。
そんなこんなで色々ありましたが、今後ともこのにゃん(=^・・^=)を、空に浮いたら。を、どうぞよろしくお願いいたします