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#09
--- 高校入学当日 ---
簓と琥珀は、二人で同じ高校の門をくぐった
「高校生活も、琥珀と一緒やなんて、ほんま幸せやわ」
簓が嬉しそうに言うと琥珀は嬉しそうに微笑んだ後こう言った
「うち、ほんま幸せや」
「せやな!ほなクラスも別々やけどお互い頑張ろうな」
と簓が琥珀の頭をなでなでした後教室に入っていった
--- 放課後 ---
二人は約束通り、駅前にある芸能人養成所の扉を叩く。
「今日から俺らはプロのタレント目指すで!」
簓が意気揚々と話す。
受付で手続きを済ませ、二人で案内された教室へと向かう。
「ほな、また後でな」
「うん!」
簓は芸人コース、琥珀は歌手コースへと分かれて、それぞれのレッスンに向かった。
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歌手コースの教室では、すでに何人かの生徒がストレッチをしていた。
「初めまして、琥珀です。よろしくお願いします」
琥珀が挨拶をすると、みんな笑顔で迎えてくれた
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一方、芸人コースでは、簓が自己紹介をしていた
「どうもー!白膠木簓でーす!」
簓はさっそく、場を盛り上げていた。
--- 半年後 ---
その日レッスンが終わり簓が琥珀を迎えに行くと、廊下で一人の男が簓に話しかけていた。
「なぁ、君、さっきのネタ面白かったで」
少し緊張した面持ちで、眼鏡をかけた男が話しかけてくる。
「んー?俺のことか?あはは、ありがとさん!」
「俺、|躑躅森 盧笙《つつじもり ろしょう》って言います。漫才、好きなんや」
「へぇ!俺もや!俺、|白膠木 簓《ぬるで ささら》なぁ、よかったら、今度一緒にネタ合わせでもせーへん?」
簓が目を輝かせてそう言うと、盧笙は驚いた顔をした後、嬉しそうに頷いたあと後ろから声が聞こえた
「簓!」
二人が話し込んでいると、琥珀が駆け寄ってきた。
「お、琥珀!紹介するわ。こいつ、今日知り合った、盧笙や。ほんで彼女の琥珀」
「初めまして、琥珀です」
「初めまして、盧笙です」
三人は挨拶を交わし、簓と盧笙は、お互いの漫才への熱い思いを語り合っていた。
それから、簓と盧笙は、養成所でコンビとして活動するようになる。
--- あれから数ヶ月 ---
「なぁ、簓。このネタ、どうやろか?」
「ええやん!でも、ここのツッコミは、もっとこう、力強く!いや、優しくか?」
二人は放課後、いつも楽しそうにネタ合わせをしていた。
琥珀は、そんな二人を温かく見守っていた。
歌手コースのレッスンも、歌うことの楽しさを知り、充実した日々を送っていた。
簓と盧笙が漫才のネタを考えるのを見て、自分ももっと頑張らないと、と思うようになった。
--- ある日の放課後 ---
簓と盧笙がネタ合わせをしているところに、琥珀が差し入れを持ってやってきた。
「はい、どうぞ。お疲れさま」
「お、琥珀!ありがとな!盧笙、琥珀の手作りクッキーやで!」
「え、ありがとう」
盧笙は少し照れくさそうにクッキーを受け取る。
「なぁ、琥珀。俺らの漫才、どうやった?」
「うん、すごく面白かったよ!簓と盧笙、ほんとに仲良いんだね」
琥珀が微笑むと、簓は嬉しそうに笑った。
「当たり前やろ!俺と盧笙は、最強のコンビになるんやから!」
簓の言葉に、盧笙も静かに頷いた。
養成所でのレッスンや、高校生活、そして互いの夢。
二人の生活に、盧笙という新しい仲間が加わり、さらに賑やかで楽しい日々になっていく。
三人の未来が、今、始まろうとしていた。
終