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ばい、ばい
もう、いいや
私、誰からも必要とされてないんだ。
私なんて、ただの出来損ない。
生きてても人に迷惑かけるだけ。
もう、死んじゃお
ビルの屋上から飛び降りようとした瞬間、誰かの声が聞こえたような気がした。
__「……!……な!俺、君の…………きだ!」__
誰が何と言おうと私は死ぬ。
私の最後ぐらい、自分で決めたいから。
「由…!死…な!俺、君のこと……きだ!」
聞き覚えのある声がどんどん近づいてくる。
フェンスに手をかけ、飛び降りようとした瞬間
「由香!死ぬな!俺、君のことが好きだ!」
そう、はっきりと聞こえた。
その声は、私の幼馴染、蒼空だった。
蒼空が息を切らして私の腕を掴んだ。
「死ぬな!死んだらみんな悲しむぞ!」
「私が死んだって誰も悲しまないよ!!!グスッ」
「…大丈夫だから、な?安心しろ。死ぬなんてやめて、生きよ?」
「グスッ」
「一旦俺ん家行って休も。いつまでもいていいから。」
「…うん…心配かけて、ごめんね…」
「家でゆっくり話聞いてやるよ。」
「うん、ありがと。」
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私は今までのことを全て蒼空に話した。
蒼空は真剣に私の話を聞いてくれた。
心に溜まっていたものを吐き出したおかげで少し心が軽くなった気がする。
蒼空、ありがとう。
私は話しながら心の中で蒼空に感謝をした。
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私が話し終わった後、蒼空は再び私に好きという気持ちを伝えてくれた。
とても嬉しかった。
幼稚園に通っていた頃から好きだったらしい。
今では付き合って充実した日々を送っている。
それもこれも、全部蒼空のおかげ。
もう一度言わせて。
蒼空、ありがとう!