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【ひねくれていた僕が救われた話】
名前変換あり。空白だと、当方のOCになります。
オリジナルキャラクター:シロノ(白野)
屋上のフェンス前、青林檎を持って裸足で立つ。
靴を脱いで、三分。
飛び降りようかと思って、五分。
別に病んでいるわけじゃないんだ、ただ、漠然と思っただけ。
普通の人は思わない?
そんなことはきっとないよ。だって僕は普通だし。
だけど僕にはなんにもないんだもん。
耳に入ってくるのは雑音ばかり。目を伏せ、遮断しようと試みる。
「ん」
僕が気づいたのは、その時のことだった。
澄んだ声が、流れてくる。どこからだろうと振り返れば、屋上に設置された貯水槽の上、梯子でのぼってやっとあがれる高い場所に座り、唄っている者がいた。誰だろう?
「――誰?」
「Sara.だよ。そちらこそ誰?」
「#シロノ#です」
すたすたと裸足で歩いて、僕はフェンスから遠ざかる。もうあの向こうを見る必要は無い。雑音以外を僕は見つけた。
「もっと聞かせてほしいな」
「ライブ、いつでも待ってるよ」
喉で笑ったSara.の表情が柔和で、持ち上げられた頬が楽しげで。
僕はこの時、初めて誰かを推したいと感じた。
一方通行の友情の開幕の瞬間。
#Writer.Harmonyのライブでは高揚感に包まれる。
それが、やがて救済となる。ひねくれていた僕が救われた、そんな顛末。
--- 【That's all】 ---
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