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第五章 新しい仲間
ディアドさんをアミリスが見上げる。アミリスをディアドさんが見下ろす。
「……この子、連れて帰って来たのか?」
ディアドさんがアミリスを指差して言った。
「そうです!アミリスっていう座敷わらしの子なんです!」
「……この子が、今回の依頼の原因なんだな?」
「はわわ……そ、そうです。す、すいません……」
アミリスが……って言っても身体がないから分からないけど、頭を下げた。
「……ルーヴィッド、ミリュニカ、……よくやった!!」
「え、えっと……?」
「俺が見つけた依頼をこなした上に、霊を連れて来てくれたなんて!」
……ディ、ディアドさん……?
「……し、師匠、とりあえずアミリスに俺たちの説明をした方が良いんじゃないですか?アミリスもミリュニカも混乱してますよ」
「そうだな。……ようこそ!俺たちのアジトへ!俺はディアド・グードセルだ。俺は霊術師なんだが、少し前まで依頼を受けられなかったんだ。でも、このミリュニカが来てから、依頼を受けられるようになったんだ!こっちは俺の弟子のルーヴィッド・シャルバンク。これからよろしくな!」
アミリスはぽかーんとしている。ルーヴィッドもぽかーんとしている。多分、僕もぽかーんとしている。
「……こ、こちらこそ……」
小さな声でアミリスが言った。
こうして、僕たちに新しい仲間が出来た。
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「あ、あの……これ、どうですか?」
アミリスが貰った肉体は、僕よりも背が高い女の子の肉体だった。
アミリスも肉体の無い存在だから、僕みたいに肉体が無いと不便だろうって肉体を貰った。
「可愛いよ!すごく!」
「あ……ありがとうございます!」
アミリスは金色の髪を少しだけ結んでいた。ディアドさんは、アミリスの髪もこのままにするつもりらしい。僕も文句は言えないけど、髪がずっとぼさぼさなのは嫌だからなぁ。そのうち、なんとかしないといけないのかもしれない。
「……アミリスってさ、僕みたいに霊術師の仕事を手伝うつもりはある?」
「霊術師……?仕事……?」
「僕たちがアミリスのところに来たのは、あの公園での怪奇現象が気になった人がいたから。ルーヴィッドは霊術師で、僕がお手伝いする立場の霊だった。霊が少ないから、アミリスも霊術師を助ける立場で、誰かを助けられるよ」
「……私は、」
アミリスがそう言って、一息つく。
「……私は、あなたのように、誰かを助けられる存在になりたいです。私が誰かを困らせてしまった分、誰かを助けてあげたいんです」
「……分かった。改めて、僕はミリュニカ。これからよろしくね、アミリス」