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𝕱𝖔𝖚𝖗 ウヴィスト依頼
「こんにちはー」
そう言いながら会社のドアを開くと、今から依頼を引き受けるんだとすぐにわかるような服装をした仲間達が、ちゃんとした服装とは真逆にソファーでテレビを見ながら盛り上がっていた。
なんで会社にソファーとテレビがあるのって?まあ会社って言っても会社の中で仕事なんか早々ないからな。仕事ないときはみんな暇なんだよ。
「おー来たか雅」
「うおっちょ、そこじゃない!!戻ってる戻ってる!!」
「わーっ落ちます落ちます!あー落ちた!!」
「馬鹿か?行くならこっちだろ」
「いやこっちだね、さっき右だったじゃん」
「これ協力ゲーだよ??全く協力してないけど??」
なんか色々わちゃわちゃしてると思ったら、4人協力プレイのテレビゲームをしていた。
「あのー今から仕事じゃ?」
俺はゲームで集まる場所から少し離れたテーブルで仮面を少しずらしながらコーヒーを飲む禮士先輩に言う。
「そうだよ。みんな雅を待ってたんだけど盛り上がりすぎてるというか。」
すると禮士先輩の隣に座っていたロー先輩が立った。
「チョットコンセント抜イテキマス」
「おー行ってら」
柚将さんがロー先輩に手を振ると、ロー先輩はブチッとコンセントを抜き、テレビ画面が真っ暗になった。
「わー切れた!!良いとこだったのに!」
そう言うのは八代天斗。コードネーム「雌黄鈴蘭」、柚将さんと一緒に情報屋をしてる。
「今カラ大型ノ仕事デスヨ」
「そうだった!」
慌てて準備?してるのが名鳥懐。コードネーム「吹鼓」、明るいムードメーカー。
「僕はもう準備満タンだよ」
明らかに清掃員っぽい服装してるのが瀬野蛍。コードネーム「濡羽鬼灯」、優しいお兄さんのアラサー。
「…あなたは早く死体清掃したいだけでしょ。っていうか今回の仕事でその服は着ちゃダメ。」
そう素っ気ないのは鳳花莉菜。コードネーム「薔薇鳳花」、1つ上のツンデレな人。
「早く行かないの?行かないのなら縹菫に手合わせを申し込みしたいのだけれど。」
藤咲真澄。コードネーム「楝撫子」、戦闘以外は関わりを面倒だと思ってる。武器の扱い方が上手い。
まだいっぱい仲間はいるけど、今回の依頼のメンバーは俺と禮士先輩含めこの6人
禮士「さ、そろそろ時間だね。行こうか」
真澄「やっとね」
蛍「清掃の時間かー楽しみだなぁ」
懐「最近調達した小型爆弾使えるかなー」
莉菜「爆弾落とさないでくださいね…」
雅「禮士先輩、改めて今回の仕事内容を」
禮士「そうだね。
今回の依頼、仕事は、高級レストランで行われる宴会で、ウヴィストの機密情報が引き渡しさ
れる。それを阻止するんだよ。」
蛍「その宴会の奴らをみんな殺す?」
禮士「いいや、その中の誰かがウヴィストのメンバーで、恐らく宴会場の地下で引き渡される。俺達はその宴会の参加者として紛れるが、上手く地下に行って|阻止《殺》してほしいんだ。結構大事な情報っぽいから強い奴いるかもしれないけど、行けそう?」
懐「行けなかったら殺し屋やってないですよ!!」
禮士「じゃあ、よろしく頼むよ。俺は宴会を監視してなきゃいけないから。」
雅「蛍さん間違えて一般人殺さないでくださいよ…」
蛍「大丈夫、もし殺してもキレーに掃除するから!」
莉菜「…そういう問題じゃない」
蛍さんは服を着替え、他はそれぞれの武器や用意を済ませると、もう一度コンセントを指しながらゲームを再開しようとする他の仲間たちにこう言った。
「じゃ、留守番頼みまーす」
「りょーかい」
「何かあった時はトウガーベラが何とかするから心配しないで」
「アマリ頼リ過ギナイデホシイデス。故障シマスヨ?」
「故障したらあたしが治すから安心しな」
そんな会話が聞こえながら、俺たちは会社を出た。