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生徒会長も恋がしたいです!【3】
「 」セリフ
( )心情
( 効果音
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俺が男性を好きだと気付いたのは、高校2年生の頃だ。
それまでは、何となく女性はもちろん男性でも良い人がいると惹かれる事はあった。しかし、それはあくまで“惹かれる”という程度である。しかし、高校2年生の後半になってから。
次期生徒会長になるため色々なクラスに顔を出したり行事の運営を手伝っていた事がきっかけだった。
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小山「 成瀬が次の生徒会長だと、俺も安心して卒業できるよ。 」
成瀬「 いえ、そんな事ないですよ。 」
小山「 そんな買い被んなくてもいいぞ笑 」
俺の前の生徒会長の小山先輩、凄く良い人だ。体育祭間近で、生徒会だけではなく生徒も色々とバタバタしている期間だった。放課後は、毎日のように様々な委員会や係が生徒会室を訪れ会議をする、というハードスケジュールだった事を今でも覚えている。そんな『忙しい』で埋めつくされた記憶の中、一つだけ彩りが確かにあった。
?「 すみません...( ガラガラガラ 」
小山「 ん、どうした? 」
類「 1年のデコ係をしている秋山類です。 」
「 デコに使うインクが無くなってしまったので、借りてきて欲しいと先輩に言われて 」
小山「 はー!?普通、先輩がカッコよく取りに来る所だろ! 」
「 なんで、可愛い可愛い後輩に取りにこさせたんだよ! 」
類「 あはは、はは...笑 」
小山先輩の言葉を聞き、その1年も苦笑いを浮かべていた。実際、側で聞いていた俺もヤバいな、とは思っていた。その後、小山先輩が
小山「 先輩代表として謝る。 」
なんて言って、土下座する勢いで謝っていた。
1年生が対応に困っていた為、仕方なく俺が仲裁に入り、その場を丸く収めた。
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その1年生に必要なインクを渡し終え、意外にも量が多かった為、俺が手伝って持って行く事にした。特になる事が無かった俺に対して会長は忙しいからだ。また、会長以外も忙しい。
成瀬「 秋山くんだっけ? 」
「 学校はどう?楽しい? 」
類「 はい! 」
「 誰かと何かをやるのは大好きなので 」
「 体育祭とかの行事系は最高です! 」
成瀬「 ふふっ、良かったねぇ〜 」
どうにも秋山くんは高校生活をエンジョイしているようだ。俺は1年生の時の体育祭を思い出しながら、秋山くんと世間話をして教室まで廊下を歩いた。
類「 ここです! 」
「 ありがとうございました。 」
成瀬「 んーん、全然大丈夫だよ! 」
「 じゃ、またね 」
類「 あ、あの! 」
俺が帰ろうとすると、秋山くんに止められた。何か思い当たる節もなく振り向いた。
類「 どこかで見かけたら、 」
「 声掛けてもいいですか? 」
成瀬「 ! 」
「 全然OK!むしろ大歓迎!( ニコ 」
類「 ありがとうございます! 」
そう言って、秋山くんとそこで別れた。
その後、彼が言った通り廊下ですれ違うと、声を掛けたり掛けられたり。帰り道が同じだという事に気づき、たまたま下校時刻が被ったら一緒に帰っていたらしていた。そんなこんなで、どんどん距離が縮まっていった。
しかし、いつの間にか類くんを目で追うようになったり、他の誰かと楽しそうにしているとモヤモヤしたりと違和感を覚えるようになった。
その頃は気づかなかったけれど、今思えばもう好きになっていたのだろう。
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ここまで読んで頂きありがとうございます🙇♀️
切り方おかしいですね笑
次話もお楽しみに^ ^