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あなたを喰らって、底から愛する。
「ずっと凛美が好きだからね。」
「ふふ。ありがとう。私も峻くんがいつでも一番よ。」
峻くんの事を好きじゃ言い表せない。愛してる。私達が出会えた事がもう運命なのだから。
私のこの愛は本物。純粋。もうどこにも行かせない。峻くんは永遠に私のものよ。
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「ねぇ、峻くん。これ、どういうこと。」
「あ、え…っと…」
「私、言わなかったっけ。他の女と食事なんかしないでって。」
「こっここまでは浮気じゃないと思って…」
「凛美が浮気って言えば浮気なんだよ。もしかして峻くん私のこと嫌いになった?もう飽きた?」
「なっなわけない!凛美は僕のものだ!大好きだよ凛美…愛してる。」
「あぁ、もう言葉だけじゃ峻くんを信じることは出来なくなっちゃった。誠意を見せてもらわないと。」
「せっ誠意…?」
私はダイニングに向かって、出刃包丁を取り出した。
「なっ何する気なんだ…!?凛美…!?」
「言ったじゃん。誠意を見せてよって。峻くんは凛美の事愛してるんだよね?凛美が一番なんだよね?だったら凛美のために何でも出来るじゃん。」
「こっ殺すのは違うだろ…!?」
「殺す?やだなぁ峻くん。何言ってるの?殺すんじゃないよ。凛美が死ぬまで一生凛美の一部として生き続けてもらうんだよ。」
「いっいや…嫌だ!凛美…!謝るから…ごめん!」
「もう許さない!!!」
名前を呼んでも、目の前で手をふってみてもピクリともしない。そんな彼を見て笑みを浮かべた。
峻くんは私だけのものなのよ。他人が触るだなんて考えられない。
これで…良かったの。私が死ぬまで一生峻くんといれるのだし。
一寸の迷いもなく私は手に持ったナイフを垂直に振り下ろした。
グチュチュ…ブチッ
ブシャッゴリゴリゴリ…
峻くんを細かくして大きな調理鍋につっこんだ。
大量の醤油と味醂と塩をドバドバかけて蓋をしてしっかり煮込んだ。
匂いが気になったけれど…峻くんだし。
銀製の食器は微かに音を鳴らした。
ナイフとフォークを手にした|それ《・・》はまるで…そう。獣のように皿に置かれた肉にかぶりついた。口を真っ赤に染めながら。真っ白なワンピースが紅の染みで染まるのも気にせずに――。
『これで峻くんは永遠に私のものよ♡』