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11話 はじめての感覚
(キス…って、こんな感じなんだ………)
西陽が海に反射して、いつもよりも眩しく感じる視界。
でも、今、視界に写るのは――――――健太の腕。
「っ、けんた…」
「颯…!ごめん、嫌だった!?」
健太はいつも、人懐っこくて、おせっかいで、謙虚で、
笑顔がかわいらしくて、人前ではポジティブで、
でも本当は落ちこぼれで、少し自己肯定感が低くて、
友達が多くて、
いつも、僕のことを見ていた。
「ううん、嫌じゃなかったよ」
「そっか、焦ったー⋯。」
安心する健太の顔を、今までとは違う風に見てしまう自分がいた。
「健太」
「ん?どしたの、颯」
はやて。
その言葉の響きが、この人に呼ばれる時だけ特別に聞こえて、心が痛む。
「健太………」
首を絞められたように、息が詰まってしまう。
「僕…どっちを選んだら良いんだろ、」
僕がそれを言い終わると健太は、地面に落ちている葉っぱを拾い上げて、
柵に寄り掛かった。
「………それはおれにも分かんねーや。」
「…だよな、さすがに」
「でも」
**「颯は、恋人ができたら、どっちの彼女に嫉妬すると思うの?」**
---
「…どういうこと?」
「トバさんの彼女と、おれの彼女。どっちが嫌になる?」
なんだかここで言うのは失礼な気がして、
「……今はまだ分かんない」
と答えた。
そしたら健太は―――――。
**「その彼女が嫌になったほうが、颯の好きな人だと思うよ」**
あとがき
クワがFAしちまったよ
あともう阪神は捕手いらんだろ(伏見くん)😞
でも裕涼くんが活躍できんのかな…?