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Day.1-2
注意とかは同シリーズ『前書き』へ!
壁に閉じ込められる約五分前。
中等部一年。
その教室では入学式が終わり、ガイダンスが行われていた。
???「ふわぁ…」
春の暖かい陽光が少女を眠りへと誘おうとする。
しかし、せっかく“あの”国立迷兎学園に入学できたのだから、と眠らないように我慢していた。
少女は眠気に負けない為にガイダンスに集中したが、つまらない話でまた眠くなってくる。
???「綺麗だなぁ…」
桜、と少女は視線を外へと向ける。
校庭に咲き誇る桜は、自分達の入学を祝福してくれているかのようだった。
風で花弁の舞う姿はとても美しい。
そんなことを考えていた少女は、ふと気になるものを見つけた。
まだまだガイダンスは掛かるため保護者達は帰宅しているのにも関わらず、校庭に人影があるのだ。
その後ろ姿をジーッと見つめていると、その人物が振り返る。
???「…あ、」
その人物と目が合った瞬間━━。
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時と場所が戻り、屋上にて。
太宰「ルイスさん!」
そう呼び掛ける太宰に対し、ルイスは目に涙を浮かべながら床に転がるのみ。
太宰に反応する余裕すらない。
太宰「とりあえず保健室……否、救急車の方が良い」
携帯電話を取り出し、固まる。
壁の影響なのだろうか。
何故か電波が飛んでおらず、救急車など呼べない。
誰とも連絡が取れない状況に太宰は焦る。
もしも、ルイスがこのまま死んでしまったら。
大切な友人。
否、それ以上の人物を死なせるわけにはいかない。
太宰はルイスを背負い、校舎へと入っていった。
ルイス「ふぅ……ふぅ……」
初めの状態に比べれば、ルイスは随分と落ち着いていた。
太宰はというと、一度も足を止めることなく一階にある保健室へと向かっていた。
とりあえず寝台でちゃんと寝かせた方がいい。
太宰「……。」
太宰は不思議に思っていた。
校舎内には高等部二年と三年、それから中等部は全学年いる筈だ。
しかし、声が一つもしなかった。
ごく普通の生活を送ってきた自分達は逃げ惑い、あの壁は疑問を持つ筈だというのに。
でも教室まで確認しにいく余裕のない太宰は、真っ直ぐ保健室へと向かうのだった。
🐰国立迷兎学園の校舎
とにかく横に広い。東側が中等部、西側が高等部の教室になっており二階が一年、三階が二年、四階に三年のクラス教室がある。また中央には理科室や技術室などの特別教室が二階から四階まである。中高各二つずつ用意されており、授業などがぶつかる恐れはない。体育館とプールは校庭の隅にある。
🐰謎の少女
中等部一年で、凄く眠たそうな少女。(名前は多分次回でます。)
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本当は少女との合流まで行きたかったけど今日はここまで!
次回もお楽しみに。