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3 降ってきた魔法使い
慌てて飛び出した蓮は、植えられていた大きなハナミズキの下に少女がいることに気づいた。
木に引っかかって落ちたのか、気を失っている。
心配して部屋から出てきた紫雲翔、英美光も少女に気づいた。
蓮「大丈夫⁉︎しっかりしてや!」
なんとか目を覚ました少女は、周りをキョロキョロと見渡した。
蓮「君は?」
リルン「リルン。リルン・アレキサンドライト」
蓮(外国人?でも日本語話せとるし・・・)
翔「リルンさんはどこから来たんすか」
翔が聞くと、リルンは黙って上を指差した。
翔「上・・・?」
リルン「ううん、|魔空島《まくうじま》」
蓮「魔空島って何?」
リルン「雲の上にある、魔法使い達の島」
その言葉に、3人は顔を見合わせた。
そう、完全にあの都市伝説と同じ話だったのだ。
日常組のぺいんととして活動している天野絵斗は、メンバーの虎蔵宗真の家に来ていた。
久しぶりに4人リアルで集まり、ゲームをしようという話になったのだ。
絵斗「おらあぁぁぁぁ!コウラ食らえぇぇ!」
秀都「ああああああ!待って最下位になったんだけど⁉︎」
葵「はい、ゴール〜」
宗真「クロノアさん速いって!笑笑」
いつも通りワイワイしていると、家の庭からドサッという音がした。
絵斗「なんの音だろ?」
宗真が庭を見に行くと、上から少女が落ちてきた!
宗真「うわっ⁉︎」
ゆっくり落ちてきたのでなんとか受け止めることができた。
フクロウが少女を持ち上げていたようだ、そばで疲れたように荒い呼吸をしている。
さっきの音は、少女がつけていたリュックが落ちた音だったらしい。
葵「大丈夫ですか⁉︎」
少女はすぐに起きて、4人の顔をまじまじと見た。
絵斗「あなたの名前は・・・?」
リーリア「リーリア・ビューティーです。リリーと呼んでください」
絵斗(え、外国人⁉︎いやでも、日本語喋ってる・・・。え、どうなってんの⁉︎)
秀都「どこから来たんですか?」
リーリア「空の上です」
4人は顔を見合わせた。
葵「空の上って、まさか・・・あの都市伝説の⁉︎」
リーリア「都市伝説?」
宗真「ネットで『天空に浮かぶ魔法の島』って噂が流行ってるんですよ」
リーリア「・・・!それ、多分私の故郷だと思います!魔空島っていうんですけど!」
秀都「魔法使いが暮らす島・・・!都市伝説と同じです!」
絵斗「・・・てことは、あの都市伝説は本当だってこと⁉︎」
秀都「そういうことになります・・・!」
宗真「リリーさん!中へどうぞ、話を聞かせてください!」
4人は慌ててリーリアを中に入れた。