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ラットが死んだ
花の香りも手伝って、|市《まち》に加速する灰色の目。
眠れないのと偽って、虚を覗き込むガラスの目。
アイラインをキツく挿して。ティアドロップで隠し立て。
「今日の|演目《プログラム》も楽しんで」
タネは割らぬ様、目を瞑って。
ニューストップの記事を読んだ。鬼の仕業だと抜かしていた。
利害関係でブチ抜いた、束の間のパンチライン。
「曖昧な|話者《スピーカー》矛盾点は無いか?
感情伝いに燃え上がった後の灰は、誰が埋めてくれるんだ?」
アクター担いだ古典芝居じゃないか。
初版引っ繰り返してみたら|鼠《ラット》が死んでいた。
タイムラインは好調だ。この情報量は格別だ。
流行病を呼び込んだ。抑鬱に乗じ手を汚した。
かくて我らは潤った。
嘘をジャンクフードで飲み込んだ。
『はて、神は死んだか』と懸念する声もとうに止んだ。
自暴自棄のアルコホリック。
外れ損ないのピンチマニア。
呼吸困難のフックアッパー。
ダダ漏れのパイプライン。
完全な操作、一般道はゲットー行きだ。
ハンドルは左右どちらにあるのか考慮してくれよ、スーパードライバー。
安息に座した一般論じゃないか。
一時停止を無視した先では|鼠《ラット》が死んでいた
「曖昧な|話者《スピーカー》。矛盾点は無いか?
感情伝いに燃え上がった後の灰は誰が埋めてくれるんだ?」
何度も繰り返した古典芝居じゃないか。
思考停止に与した先では|鼠《ラット》が死んでいた。
言論の自由が明けて、ネコも杓子も上段に立っちゃって。
いまいる立場保つだけのため、無知で素直なネズミ確保して。
それっぽい一般論並べ挙げて、嘘ばっか言っちゃって。
泥棒猫、私以上に私のこと分かってるなんて言えるとでも?
ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ。
「夢を壊してはいけないので、君の仕業だと言ってやった」
「曖昧な|話者《スピーカー》。矛盾点は無いか?
感情伝いに燃え上がった後の灰は誰が埋めてくれるんだ?」
アクター担いだ古典芝居じゃないか。
初版引っ繰り返してみたら|鼠《ラット》が死んでいた
「漫然な自由か? 思慮ある不自由か?
『趣味のよさというものは物事を強調しないことにある』のか?」
肝心なとこは皆一枚奥にあるのさ。
疑うことを放棄した|民主主義者《デモクラット》が死んでいた。
「空は寒気立っていた」