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隣の学校の元ヤンに恋をする3
英加扠
「私のだすごい、なんでわかったの?」「あれだけ探してもないってことは、がま口はもう少し深く埋まってるかもしれないけど、落としてからそんなに時間が経ってないから、まだ浅いところにあるはず、後掘り起こした時にだんだん深く減り込んでいちゃったか、別の場所にあるはず、でも結構深くまで掘ったのにないってことはまだ探してなくて、落とした可能性の低いここなんじゃないかなって」「…衣鶴、その頭の良さ分けて…」「別に頭いいわけじゃないよ。それにさっきのも仮説だったし。まあ、何はともあれ無事見つかってよかったねー」また側溝から上がり、泥まみれの足と手を持っていたタオルで念入りに拭く。靴下を履き、ローファも履く。
「じゃあ私はこれで「待って」颯爽と帰ろうとする私を湖夏が引き止める「何?」「お礼…させて!」「いやいやいいよいいよお礼なんて。」「いやいやでも〜」「本当に大丈夫だからって。」その場を離れるが、彼女も離さない。なんか前もこのやりとりをやったような気がする。最終的な結論は私が折れた。
「よーしじゃあレッツゴー」「あ、その前にさ、少しお手洗い行かせて。着替えたいから。」すぐ近くのお手洗いに行って、ジャージを脱いで、制服に着替える。「お待たせ。いこ。」るんるんと鼻歌を歌っている湖夏をじっとりとした目で見つめる。そうして湖夏につれられて来たのは駄菓子屋だった。ちびまる子ちゃんに出てくるような、古びた駄菓子屋、かき氷の看板、ジュースしか入っていない自販機。中には所狭しとグミ、チョコ、ラムネなど駄菓子が一つの軍隊のように重々しく鎮座しているようだ。