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友達作り⑪佐藤君からの告白
星
「お前のこと、好きだって言ってんだよ」「……え?」びっくりした奈々は、本当に椅子から落っこちそうになった。そのとき、ガラガラと教室のドアが開き、先生が大きな声で言った。「じゃ、今日は先生の用事で、このクラスだけ早く帰ることになったので、勉強はしません!遊んでいいよ!でも、その代わり静かに遊ぶこと。隣のクラスは勉強中だからねー!」いつもなら大喜びするような先生の呼びかけにも、今の奈々はピクリとも反応できなかった。ただ、頭が追いつかなくて、口をぽかんと開けたまま座っている。佐藤くんは「何してんの?」という顔で、そんな奈々をじっと見つめていた。「奈々?」「っ……!」初めて呼び捨てで名前を呼ばれた奈々は、さっきよりももっとびっくりして、勢いよく椅子から立ち上がった。ガタァン!と大きな音が響き、今度は佐藤くんの方が「なんだっ!?」という顔で奈々を見上げている。(大丈夫、落ち着いて……!)奈々は必死に心の中で自分を落ち着かせようとした。「好き」(あぁっ、もう!)心を整えようとすればするほど、佐藤くんの言葉が頭の中で暴れて、もっと恥ずかしくなっていく。このままじゃ、心臓が破裂してしまいそうだ。一刻も早く、この教室から逃げ出したかった。「ごめん!用事思い出したっ!」奈々はそう叫ぶと、佐藤くんを置き去りにしたまま、逃げるように教室を飛び出してしまった。「やっちゃ……った」静まり返った廊下に出た途端、激しい後悔が襲ってきた。佐藤くんを置いてけぼりにして避けてしまったこと。そして、あんな分かりやすい嘘をついて教室を出てきてしまったこと。奈々は廊下にへなへなと座り込んで、深いため息をついた。「いじわるグループのことも避けないといけないし、美緒ちゃんは転校してしまったし、佐藤くんには意外な言葉をかけられるし……!もう、どうしたらいいか分かんない……!」奈々はその場にうずくまり、頭を抱えてまたため息をつく。自分の周りの世界が一気に変わりすぎて、心が追いつかない。『奈々ちゃん』「え……」奈々のすぐそばから、聞き覚えのある美緒ちゃんの声が聞こえた。「美緒……ちゃん……?」すぐ隣から聞こえた声が、信じられないほど美緒ちゃんの声に似ていた。奈々は思わずびっくりして、ガバッと立ち上がった。でも、あたりを見渡しても誰もいない。ただ、夕方の光が少しずつ陰りはじめた、ぽつんと暗い廊下があるだけだった。「何だったんだろう……」奈々は不思議に思いながら、また壁に背中を預けて座り直した。(もしかしたら、美緒ちゃんが私の様子を見に来た……とか? でも、いなかったもんね。きっと美緒ちゃんは、私のことなんて、もう忘れてるんだ……)寂しさに胸が締め付けられそうになった、そのとき。「奈々」「!?」いきなり名前を呼ばれて、奈々は体を硬直させた。びっくりしすぎて、指先一つ動かすこともできない。