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音色 第4話
【登場人物】
成澤 美浪(なりさわ みなみ)
恵川 玲央(えがわ れお)
幸寺 紫央(こうでら しお)
美澤 駿(みさわ しゅん)
和太利 碧音(わたり あおと)
「はい、|恵川《えがわ》くんコーラとサイダーどっちがいい?」
「えーじゃあ、サイダーで」
「|成澤《なりさわ》ちゃんは?」
「わっ、私は良いですっ!!」
「遠慮しないでー」
私と|玲央《れお》は、今生徒会室にお邪魔中です。
でも何故冷蔵庫があるのだか…。
「ねぇ、今何時ー?」
「午前8時28分です。門が開いて新1年生が入るまで32分あります」
「ありがとー!もっとくつろいでね♪」
「|紫央《しお》コピーは?」
「これっ!」
「コピーミスは…ないわね」
「コピー機の調子最近良いよね~」
生徒会って大変だなぁ、こんな朝早くに仕事って……。
「|美浪《みなみ》、今日って筆箱いるっけ…」
玲央がサイダーの缶を片手に持って言う。
「え…いるでしょ、新しい教科書に名前とか書くだろうし」
「えマジかぁ、忘れたわ」
私は筆箱の中からシャーペンを出して渡す。
「はい、消しゴム使っていいよ。油性ペンは後で貸す」
「ありがと!帰りなんか奢るわー」
「じゃあ高いものにしようかなぁ」
「おいおいー」
わいわい賑やかな生徒会室……。
コンコン…
ノックの音がした。
「紫央さーん?職員室にペン忘れて…」
先生だっ!私達がいるの、バレたらまずいかも…。
焦って|幸寺《こうでら》先輩を見ると、机の下に隠れるようハンドサインで指示された。
ガチャッ…
「ほら…すぐ物を失くすんだから…」
「えへへっ、ありがとうございます」
「コピー機使うなら今のうちよ~」
「了解です!」
ガチャ。
先生は出て行ったようだ。
「成澤ちゃん、恵川くん、出てきて良いよ」
「あざす☆」
「ありがとうございます…」
「あ、もうそろそろ9時だね…門の近く行っとこうか」
「ん?それじゃ見つかるくね?」
「そっかぁ…じゃあ《《裏ルート》》通っちゃおっかー」
裏ルート…?
「ふふっ、私に付いてきて!」
私と玲央はお茶目に笑う幸寺先輩の後を追った。