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#8 ずっと会いたかった
やっぱり、みんなはいない
何が起こっているのか分からない
でも、動画を観て行くべき場所が分かった
1人じゃ何もできない
臆病だから
誰かと一緒ならきっと大丈夫なんだ
だから、もう一回あそこに行こう
これを使って
その前に部屋に行ってアレを取りに行こうかな
ずっとつけていなかった、大切に取っておいた
あの髪飾りを、
一部ネタバレ含みます⚠️
🦖side
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🦖「ん、?」
目が覚めると、どこかにいた
重い身体を起こし、周りを見てみた
🦖「なんだよ、これ…!?」
そこはまるで江戸のような、和風な建物が連なった街だった
俺ら以外にも人がいる
🦖「どういうこと…?」
とりあえず皆んなを起こしに行った
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🐸「タイムスリップした…ってこと、?」
👓「そんなことあり得るの!?」
🎸「奈落にこんな世界が広がってるなんて聞いたことないんだけど!?」
皆んな困惑してる
というか、本当に俺らは生きてるのか?
ここ、天国とかそういうわけじゃないよね!?
🍪「これが現実なのかも分かんなくなってきました…」
🍫「あまりにも現実離れしてる…」
まだ頭が混乱している
🍗「でも、ここにたっつんはいるんだろ?」
ゆあんくんの一言で皆んなの顔色が変わる
🌷「来たからには、ですね。」
🐏「絶対に見つけてやる…」
🦊「全員でシェアハウスに帰ろうね!」
🌈🍑「うん!!/はい!!」
全員の声が揃い、士気が高まる
🦖「それじゃあたっつんを探しに…」
?「なんでいるん、?」
俺の言葉を遮るように、誰かが言った
その声は明らかにあいつの声だった
勢いよく振り返ると、ずっと会いたかった人がそこにいた
🦖「…たっ、つん、?」
⚡️「…みんな、」
驚いて声も出ないメンバー、
たっつんは一人一人の顔を見て、睨んでくる
⚡️「なんで来たんや」
🍪「そ、れは、貴方を助けるために…っ!」
⚡️「助けてなんて、一言も言っとらん」
いつものたっつんじゃない、
《《何かが背後にいる》》、そんな気がした
🍗「俺、ずっとたっつんに謝りたくて、!」
⚡️「今更、か?」
🍗「え、?」
ゆあんくんの声が弱々しくなっていく
⚡️「謝るなんてもう遅いねん!!戻れないや俺は!!!」
叫ぶような声に身体が動かない
🍫「たっつん…っ、!」
⚡️「…ごめんな、皆んな…」
⚡️「もう帰ってくれ、頼むから、、」
🌷「…たっつんさんを置いて帰るわけにはいきませんよ!!!」
なお兄が声を荒げる
なお兄のこんな声初めて聞いた
⚡️「…そうか、」
⚡️「`なら死ね`」
そう言うとたっつんは紅くなっていく
🦖「たっつんっ!!!」
もう、俺の知っているたっつんはいない
彼がいたところには、
だるまがいた
🦊「っ!?」
🐸「皆んな動くなっ!!!」
シヴァさんの声で皆んなが正気に戻る
…あの声が無かったら、と思うと少し怖い
だるま「`…楽しめ、最後のゲームを`」
だるまはそう言って消えた
🎸「たっつんが…だるま、?」
力が抜けたように膝から崩れ落ちる
🐏「なんで…?なんでたっつんは俺らを…」
意味が分からず、立ち尽くす
👓「…俺らをまた殺そうとしてるのか、?」
🍫「死んだら、、どうなるの、?この世界現実っぽくないし、、」
えとさんの声で皆んなが黙る
確かに、この世界で死んだらどうなる?
いつも通り、空から皆んなを見守ることができる?
その可能性は低い
この世界に空はない
上を見ても闇が広がっているだけ
ということは…
🍪「…絶対生きて、絶対帰りましょう」
のあさんも察したのか、直接は言わずに遠回しに伝えた
「死ぬな」と
全員で目を合わせて頷く
🎸「じゃあ…2人1組で行動するか、?」
2人の方が出る可能性は高くなるが、だるまを見つけやすい
🦖「そうしよっか!じゃあ、チームは…これで!」
🦖&🍗(石像班)
🍪&🍫(石像班)
🌷&🐸(外周班)
🦊&👓(ダイヤ班)
🎸&🐏(物資班)
🍪「分かりました!えとさん行きましょう!」
女子組は南の方に走って行った
🐸「外周なんて、、この世界に存在するか分からないけど…行ってくる!」
シヴァなおは西の方へと走って行った
🦊「ダイヤあるか分からないけど頑張る!もふくん行こう!」
🐏「皆んなの分まで集めるね!鉄も沢山いるな…」
もふどぬは北の方へ、ヒロうりは南東の方へ走って行った
🍗「…っ、」
しゃがんで俯いているゆあんくん
🦖「…ゆあんくん、」
身体が震えている
…泣いているんだろう
🦖「絶対助けよう、絶対助けてまた謝ろう?」
彼の澄んだ赤い瞳と目が合う
🍗「…絶対、助ける…っ、絶対助けて…一発殴ってやる…っ」
彼の目には涙と共に決意も浮かんでいた
🦖「行こう!」
🍗「うん!」
俺らは東へと足を動かした
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⚡️side
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⚡️「始まったんか、?」
だるま「`ああ、ゲームスタートだ`」
横にいるだるまと会話をする
⚡️「俺は…どうしたらええ、?」
だるま「`ここにいろ。必ず誰かが来る`」
その会話はとてもぎこちなく、
⚡️「俺は、戻れる、?」
だるま「`それはあいつら次第だ`」
面白みもない
⚡️「…俺が死んだら、」
だるま「`何度も言っているだろ?あいつに…ゆあんにお前の代わりをさせる`」
⚡️「…そうか、」
だるま「`ああ。`」
しばらく沈黙が続く
俺はずっと気になっていたことを聞いてみた
⚡️「お前は俺を使って、何をしたいんや、?」
だるま「`…お前には関係ない`」
⚡️「何でや、言ったってええやろ」
俺の反対を向いたから少し拗ねてしまった
だるまに拗ねるって、どういうことやろ…w
だるま「__`…皆ん…に愛…れる世…を作…`__」
⚡️「なんて??」
小さい声で言ったから全然聞こえなかった
だるま「`二度はない`」
⚡️「ケチやなぁ…」
だるまの発言に少し笑ってしまう
だるま「`笑えるほど余裕か?`」
⚡️「…ちゃうで、」
だるま「`?`」
少しだけ、だるまの表情が変わったように見えた
⚡️「お前とこうやって話すのは楽しい。」
⚡️「俺はこんなゲームをするのは正直嫌や。」
だるま「`…`」
⚡️「…でもこうやって…なんの変哲もない話をするのは悪くないなって思っとる」
⚡️「お前は違うんか?」
全部本心だった
確かにメンバーを殺すのは嫌やし、すごく辛い
でも、だるまと他愛のない会話をするのは楽しい
敵の…はずやのに、
だるま「`…俺もだ、`」
だるまの答えに驚いてしまった
だるま「`…こうやって人と話すのは楽しい`」
だるま「`…人間の時に、こんな会話をしたかったんだが、`」
⚡️「元々人間だったん…?」
だるま「`ああ。だが、闇に呑まれてこうなってしまった`」
なんでだろうな、とだるまが笑うように言う
だるま「`別の世界でも、お前らに会っていたような気がする`」
⚡️「…別の、世界、?」
だるま「`少女…しか覚えていないな、別の世界でも俺は1人だった`」
だるま「`…1人は、思ったよりも孤独なのかもしれないな、`」
ずっと思っていた、
どこかで会ったことがあるんじゃないかって、
それはだるまも同じだったみたいだった
少女…、
よく分からず、考えるのをやめることにした
だるま「`そろそろ出番だ。いいな。`」
⚡️「ああ、」
俺は立ち上がり、ドアを開ける
目に飛び込んでくる眩しい景色
⚡️「…また、話せるか?」
不意に聞いてみた
だるまは困惑してるみたいだった
だるま「`…お前が望むのなら、`」
そう言ってだるまは俺の中に入っていった
⚡️「…カッコつけんなや、、w」
眼帯を外しながら笑う
⚡️「`ごめんな、みんなには帰ってもらうで`」
俺は柵から飛び降り、江戸の街へと足を踏み入れた
🎸「…たっつん、、?」
それを見ていた少年が1人立っていた
あと少し…あと少し…
あと少しで、辿り着ける
久しぶりに来た
皆んな元気みたいだった
?「あっ、、!」
目的の人物を発見し、声をかける
?「***!久しぶりっ!!」
***「え!?どうして__がここに…!?」
?「時間がないから後で!助けてほしいの!皆んなが!」
***「え、?何があったのかは分からないけれど…分かったわ!」
着いてきてくれることになった
***の能力なら、いざとなった時皆んなを逃げさせることができる
次は…動画でしか見たことがないあの世界に行こう、
待っててね、皆んな!!
おつなーこ!