公開中
届きそうで、届かない…
最近投稿遅くなってしまってごめんなさい🙇♀
一日一話を継続していきたいのですが、どうしても諸事情ありまして、いつ投稿するか分かりません。こんな文章なのに読んでくださるなんて、それだけで感謝しきれないのですが、もし続きが読みたいと思って下さったら気長にお待ち下さい🙇
太宰side.
つい最近、中也と二人で出掛けた時の事。
この時、私は我に返ったのだと思う。
---
結構歩いて、ベンチで一休みしていると、中也がいつの間にか私にもたれかかって寝ていた。その寝顔がほんのり赤く、あんまり幸せそうに微笑んでいて、思わずその髪に触れる。
本当は|接吻《キス》したかったけれど、そこまでする勇気がない。
ここまで考えた所で、ふと気付いた。
「…何で私、中也に…?」
中也とは犬猿の仲だったはず。少なくとも私はそう思っていた。だから学校でも煽りまくってたし、それで中也がキレるなんて日常茶飯事だったはずなのに、今はただこの時間が幸せなことしか分からない。
その時、中也が起きた。寝ぼけ眼で状況を理解すると、慌てて私から離れてしまった。
その横顔が赤く染まっていたと分かった時、思わず私は目を背けてしまった。
私も耳まで真っ赤になっていたからだ。
まあ、中也は恐らく気付かないだろうけど…。
---
中也side.
今日、太宰と出掛けた。何故かは分からないが、絶好のチャンスだと思った。
俺は、太宰が好きだからだ。
ただ彼奴はいつも揶揄ってくるし、俺のことは気にも留めてないんだろうな。
だから、散々言うのを渋ってきた。
が、二人きりなら…?二人きりなら、周りに揶揄う奴もいないし、本音が聞けそうな気がして。
そう意気込んで行ったのに、気付いた時には彼奴にもたれて寝てしまっていた。
彼奴の体温、呼吸音、心拍や匂い…全てが愛おしくて、心地よくて…
目が覚めた時、彼奴が俺の髪に触れていた。優しくて、温かくて、このまま身を委ねていたかった。
「何で私、中也に…?」
ふと、太宰の声が聞こえた。続きが気になる。中也に、何だって言うんだ…
これ以上は耐えられなくて、身を起こす。
ふと太宰の顔を見た瞬間、顔が火照ったのが分かった。
この顔を晒してしまったら、絶対揶揄われる。
慌てて顔を背け、太宰から離れる。
その時はまだ、気付かなかった。
その時、太宰も真っ赤になっていた事を…