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天国の落としもの係
いちごりら
天国の入り口にある、妙にカラフルなプレハブ小屋。そこには、自称・天国一のナイスガイ、**○○**がふんぞり返っていた。
○○「ハロー! ボンジュール! 天国へようこそ! ……って、おい!
そこの君! なんだその『世界が終わった』みたいな顔は! もう終わってるけど!」
○○が指さしたのは、ガリ勉風の青年幽霊・佐藤くん。彼は今にも消えそうな声で呟いた。
佐藤「……告白、できなかったんです。10年片想いした幼馴染に、
ラブレターを書いたのに、渡す直前でバナナの皮に滑って……」
○○「バナナ!? ベタすぎるだろ!
君、ギャグの才能あるよ! 素晴らしい!」
佐藤「笑い事じゃないですよ! 僕の想いは、今も僕の部屋の
『数学の参考書』の142ページに挟まったままなんです!」
○○は、デスクから巨大な「天国特製マジックハンド」を取り出した。
○○「よし、分かった! その『青春の残骸』、この○○が回収……いや、
強制デリバリーしてやろうじゃないか! ただし! 142ページじゃ地味だ。行くぞ!」
その夜。地上の幼馴染・花子さんの部屋。 彼女が悲しみに暮れていると、
突然、窓の外から**パッパカパーン!!**という景気のいいラッパの音が(幻聴で)聞こえてきた。
すると、本棚から数学の参考書が自ら飛び出し、空中で高速回転!
142ページからラブレターが飛び出し、花子さんの鼻先に「ペタッ」と貼り付いた。
さらに、どこからともなく、エコーのかかった○○の声が響き渡る。
○○『イッツ・ショータイム! 花子さん! その紙には、
一人の男がバナナに負ける直前まで抱いていた、熱いパッションが詰まっている!
読め! 読んでやってくれ! 彼は今、天国で盛大にスベっているぞ!』
花子さんは驚きすぎて涙が止まり、思わずラブレターを読んで……クスッと笑ってしまった。
天国のプレハブ小屋。 モニターでその様子を見ていた佐藤くんは、顔を真っ赤にして叫んだ。
佐藤「○○さん! 演出が過剰ですよ!
それにバナナのことまで言わなくていいじゃないですか!」
○○「ガハハ! 掴みはバッチリだろ? ほら見ろ、
彼女、笑ってるじゃないか。悲しい顔より、そっちの方がいいだろ?」
佐藤「……それは、まあ。……ありがとうございます」
○○「礼には及ばないよ! さあ、次の迷える子羊はどいつだ!
あ、そこのマダム! 忘れてきたのは『ヘソクリの場所』かな? それとも『入れ歯』かな!?
どちらにせよ、この○○がミラクルな方法で解決してあげよう!」
○○はポーズを決めながら、今日も天国の窓口を明るすぎる笑い声で満たしていた。